忍者ブログ
唇のあわいからあなたへ甘い毒を注ぐ。幾度も、幾度も。
  • /04 «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • » /06
カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

カウンター

フリーエリア

キリ番は500単位で受付中です。
お礼SSを書かせていただいてます。
踏まれた方はコメントか拍手でご一報くださいね。
シチュエーションなどリクエストいただけると助かります~。



ぱちぱち

プロフィール

HN:
coffin
性別:
女性
自己紹介:
無類のシキアキスト。
次点でリンアキ、グンアキ。
そしてわりと好きなカウアキ。
なんにせよアキラは受けです。

あの可愛いさは反則…!
*************
リンクフリーです。
バナーはお持ち帰りくださいね。


リンク
カテゴリー
最新コメント
最新記事
バーコード
RSS
ブログ内検索

最古記事
最新トラックバック

アーカイブ
アクセス解析
アクセス解析
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

先日書いた、"その名前"の続き的な…ものです。
特に何も解決しませんでしたが…。
アキラにあーんってさせるグンジが書きたかっただけです。
なんかあーんって可愛いですよね。

ちょっとネタを膨らませるために久しぶりにPCの咎狗をやろうとおもっています。
未だにTBには手付かずですが…。
あーなんか書きたいものが頭の中でぐるぐるしてる感じです~。


*dessert*

今日の"仕事"を終えて帰ってきたグンジはアルビトロにやかましく言われないようにシャワーを浴びて食堂に向かった。
時間は昼時、正に食事の時間だった。
椅子にどかっと腰掛ければ、伸ばした足先に何かが当たってグンジは乱暴にテーブルクロスを捲った。

「っお前…ここで何してんの」

雫の滴る髪のままグンジは瞬間動きを止めた。

「?」

アキラが食堂のテーブルの下にもぐっていたのだ。
しっかりと目が合って。
カウと揃いのレザーをまとったアキラは日を追うごとに一層と人離れしていくようだった。

「でてこいよ」

アキラは暫くじっとグンジを見つめた後ゆっくりとそのしなやかな体をグンジのほうへと乗り出すようにしてテーブルの下から顔を覗かせた。
己の膝に頭を乗せたため、グンジは何とはなしに撫でてやる。
アルビトロが丹念に手入れをしているからだろうか、さらさらとした髪は意外とさわり心地が良かった。
アキラもおとなしく撫でられるに任せている。

給仕が食事を運んできて初めてグンジは己の空腹を思い出して。
ステーキを切り分けてもくもくとグンジは食事を進める。
アキラを膝に乗せたまま。

メインを食べ終えて、丁寧にカットされた林檎をほおばるとアキラが身を起こしてグンジの隣の椅子へとよじ登る。
そして皿の上に載った林檎に鼻を近づけてくんくんと匂いを嗅いだ。

「……欲しいのか?」

食べかけの欠片をほら、とアキラの目の前に差し出せばもう一度アキラは匂いを嗅いだ。
警戒しているというよりは、不思議がっているというほうが正しいかもしれない。

空いた手でグンジは林檎をかじりながらみているとぺろ、と舌を出してアキラは舐めた。

「舐めんのかよ…」

齧れよ、とグンジはため息をついた。

「口開けろ…ほら…あーんってしてみな?」

己の口をあーんと開ければアキラは首を傾げながらもグンジの真似をしてあーんと同様に可愛らしく口を開けた。
その口の中に林檎を放り込む。

「そんで、噛め」

指示されたとおりにもごもごとゆっくりと咀嚼してアキラは微笑んだ。

「……」

「なんだ…ヒヨォ、あんまりその猫ちゃんにかまってっとビトロに殺されるぜぇ?それによォ、ポチも気に入ってるみたいだしよ」

凶悪な顔で面白そうに笑ってキリヲが囃した。
そのままグンジと同様に椅子にすわり、料理を待つ。

「メシやってただけだっつの」

はん、と鼻で笑ってグンジはがたんと立ち上がる。

「俺は別にこいつと遊んでやったわけじゃねーの!」

「どうだかなァ」

くつくつと笑ってキリヲはちょいちょいとグンジの足元をさした。

「あぁ?」

イライラと指差された先を見ればアキラがグンジの足元にぴたりと寄り添っていた。
はぁとため息を吐いてグンジはしゃがみこんだ。

「ほんと…お前どうしたんだよ」

アキラは答えることなく小首を傾げただけで。
グンジのため息だけがただ音を伴ってそうして消えていった。

拍手[8回]

PR


アンケート結果を受けまして久々のグンアキですー。
アルビトロを書くのが異常に楽しいです。

*********************

*その名前*


グンジがいつもどおり昼食を終えて、部屋に戻ろうとしたときだった。
キリヲにがしっと肩をつかまれて、長身ががくっとつんのめった。

「おい、ヒヨォ。ビトロが呼んでるぜ」

「あァ?」

なんだかんだといいながらも気だるくその仮初の主の部屋へと向かう。
実際、アルビトロに放り出されれば多少は困るのだ。
ベッドがなくなるしィ、とグンジはつぶやいた。
重厚な木材で作られた扉をためらいなくグンジは蹴り開けた。

「グンジ……っ、扉は手で開けるのだとお前は何回私に言わせたら気が済むのかね…っ?!」

「うるせーなァ、ちゃんときたんだからいいだろー」

ここまでならばいつものこと。
ただグンジのめぐらせた視線がある一点でぴたりととまる。

「え……」

いつもどおりのはずだった。
いつもどおり仕事を言い渡されて、文句を言いながらキリヲとまた街へと出て行くはずだった。

「……どうしたのだね?」

「………」

アルビトロの問いにもグンジは答えない。
ただじっと、カウと戯れる………アキラをみつめる。
グンジの視線の先に気づいたアルビトロがゆっくりとアキラの髪をなでた。

「あぁ……お前にはまだ見せていなかったな。これはカウのつがいとして私がセレクションした子なのだよ。名はアキラという。どうだ、可愛いだろう?」

どこかぽやっとした顔でアルビトロの動く指先を追っていた目がふ、とグンジに向けられる。

「っ……」

目深にかぶったピンクのフードのその下でグンジは瞠目した。

なんだ、これは。
これは………アキラじゃない。
感情が抜け落ちたかのような、顔。
ちがう、感情がないんじゃない。
…無垢すぎる。
あどけない表情は稚い子供の様ですらあった。
以前のアキラのようなどこか危うげな儚さなどどこにも見当たらない。

「……?」

そっとアキラが近づいてくる。
鼻先をグンジに向けてくんくんとにおいを確かめるように。
そっとグンジはかがんでアキラに目線を合わせる。

「……なァ」

「…なんでお前ここにいんの?」

言葉の意味がわからないのかただ不思議そうに首をかしげながらアキラがそっとグンジへと手を伸ばす。
その白い指先が己の鉤爪に触れたところであわててグンジは両手を引いた。
常ならば、処刑を行う彼が肩を揺らすほど動揺することなどめったにない。

「……危ないだろ」

そういってから、はた、とグンジは首をかしげる。
グンジは人の悲鳴もラインに汚れていない血の香りも大好きなはずなのに。
しかし今、確かにアキラの指先が傷つくことを…恐れたのだ。

(あれ…………?)

かすかに感じた違和感にグンジはぎゅっと眉を寄せた。

「おい、グンジ!……聞いているかね!?」

アルビトロの呼びかけにもこたえぬままグンジは己の手から鉤爪をはずして、素手でアキラの頭をくしゃりと撫でた。

「………アキラ…」

その胸に溢れる思いがいったい何なのかをグンジは…まだ知らない。

*********************

あとがきは続きから~

拍手[7回]

*a sigh *


胸元のタグがしゃらりと音を立てた。
アキラは小さく息を吐いて中立地帯へとの歩みを速めた。
もうすぐ正午になろうかと言う時間だがトシマはいつもどおり人の活気というもののとはかけ離れた場所だった。

相変わらずの曇天もさすがに日中は僅かな陽光を透過して少しだけ廃墟たちも白さの度合いを増したように思う。


「アーーーキラァ」


前触れもなく突然呼ばれたことに対してか、それともその声の主が容易に想像がつくからか、はたまたその両方かは定かではないが、ピクリ、とアキラの肩が跳ね上がる。

眉根をぎゅぅっとこれ異常ないほど寄せてアキラは握り締めていたナイフの手を僅かに緩めた。

「…」

声がしたのは…上からだったな、とアキラはゆっくりと頭をめぐらせて見えるはずのピンクのパーカーを探す。
もっとも、探す間もなく灰色の廃墟群の中ではその男の"色"は浮いていた。
脱色しすぎて痛みきった金髪と鮮やかなピンク色のパーカー、首元に絡みつくトライバル。

アキラのちょうど真後ろのビルの、その3階部分の窓から乗り出すように…男が両手を振っていた。

いっそ無邪気とも見える笑顔で躊躇いもなくその窓から飛び降りれば猫のように着地してアキラのほうへ駆け寄ってくる。

声にならない声を諦念とともに吐き出してアキラはしっかりとその男へ向き合った。
処刑人がいるところにわざわざ顔を出すイグラの参加者はいない。
…それにこの男に声をかけられたら最後、気まぐれに付き合うしか開放される道はないのだとアキラはこれまでの経験で分かっていた。
なぜか…リン曰く"気に入られた"らしい。

"アキラってほんっと変わってる~"

そういってきゃらきゃらと笑う小柄な彼の姿を思い出してすぐに頭から追い払う。

「グンジ…」

「アキラのコトさァ、俺探してたんだよね」

いつも何が楽しいのかよく分からないようなことでグンジは笑う。
アキラはそれが不思議でたまらない。

「…俺を?」

「そうそう。ってことでさァ、付いてきてっていうかァ、連れてく?」

は?

とアキラが情けない声を上げた瞬間にはグンジはアキラを肩の上へと担いで疾走を始めていた。

「ちょっ…グンジ!!…下ろせって」

アキラの叫びもむなしく結局目的地までアキラが地面を踏むことは無かった。


「はい、到着~」

そう言ってグンジがアキラを下ろしたのは"城"の前でだった。

無言のままアキラはその"城"を見つめため息をつく。
…できれば来たくない場所の最たるところがここだ。
あの…アルビトロやキリヲの事を思い出すと気分が沈むのも仕方がないことだろう。

「アキラァ、ぼーっとしてないで早く~~」

ひょいひょいと先を歩くグンジがまた大声でアキラを呼び出しそうでアキラは大人しくグンジの後に従った。

 

 

「…で…?」

アキラの目の前には美しいオムライスがほわほわとした湯気を上げていた。
ここは"城"の食堂だった。
しかしアキラとグンジ以外の人影は見当たらない。

「ん~?オムライスじゃん、アキラ好きなんデショ?」

どこからそんな情報を仕入れたのだろうか。
アキラは半ば呆れながらそっと目の前の皿に視線を移す。

ヒャハッと笑いながらグンジは片手に握ったフランスパンに噛み付いた。
スライスされたものではなく、丸ごと一本だ。
鉤爪はがしゃんと音を立ててグンジの足元に放られている。
目にかかる前髪の隙間から綺麗な瞳がアキラを射抜く。

何か現実とかけ離れたような異様な光景にアキラはひくつく頬を感じながらグンジを見ていた。

「…俺に用事があったんだろ?」
「ウン」
「だから用事は何だ?」

おそらく幼い子供がやればひどく可愛らしいのだろう仕草でグンジは首を傾げた。

「だからァ、これがヨウジじゃん。ビトロがァ、好きなコはまずメシに誘えって言ってたからさァ~。なんだっけ?タシナミ?とかなんとかいってたな」

「…嗜み…?」

およそ目の前の人物とはそぐわない単語にアキラは眉をひそめた。
いつも…予測が付かない。

「たべねぇの?」

もぐもぐとフランスパンを咀嚼しながらグンジが不思議そうにアキラに尋ねた。

「……食べる」

グンジのことだ。
毒だなんて入れているわけでもないだろう。
気に入らないのならその爪で殺せばいいだけの話なのだから。
ちょうど昼を過ぎた時間だったこともありアキラも空腹を感じていた。
どうせ今帰れやしないのだ。
それにソリドよりかは幾分もまともな食事であることに違いなかった。

ぱくり、と一口食べてアキラの顔が僅かにほころぶ。
それは殆ど変化していないといってもいいほどだったが。
ふわりとして、かすかに甘く、中のチキンライスのトマトの酸味と合っていた。

「うまい?」

まるで子供のようにアキラの事を覗き込むグンジにアキラは小さくこく、と頷いた。

ゆっくりと二口目を掬うアキラをグンジは相変わらずフランスパンをかじりながら楽しそうに見ていた。

が。
何を思ったか突然にやりと笑った。

「なァ、俺にも味見さして」

そういうなりグンジはアキラに口付けて舌をするりとその口腔へと滑り込ませた。
その柔らかな唇やあたたかな舌を吸い上げて、くちゅりとした音を響かせながら唇が離れた。

「…っな!」

驚愕と羞恥とそれから整理しきれないあらゆる感情をない交ぜにして頬を紅潮させたアキラが唇をぐいと拭ってグラスから水を飲み干した。

唇を戦慄かせ、しかし言葉の出ぬままアキラはグンジの分も水をあおった。

「…美味シカッタ?」

悪びれずに笑うグンジにアキラは今日最大のため息をついて、力なく項垂れた。


**************

拍手[7回]

* HOME *
BrownBetty 
忍者ブログ [PR]