忍者ブログ
唇のあわいからあなたへ甘い毒を注ぐ。幾度も、幾度も。
  • /04 «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • » /06
カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

カウンター

フリーエリア

キリ番は500単位で受付中です。
お礼SSを書かせていただいてます。
踏まれた方はコメントか拍手でご一報くださいね。
シチュエーションなどリクエストいただけると助かります~。



ぱちぱち

プロフィール

HN:
coffin
性別:
女性
自己紹介:
無類のシキアキスト。
次点でリンアキ、グンアキ。
そしてわりと好きなカウアキ。
なんにせよアキラは受けです。

あの可愛いさは反則…!
*************
リンクフリーです。
バナーはお持ち帰りくださいね。


リンク
カテゴリー
最新コメント
最新記事
バーコード
RSS
ブログ内検索

最古記事
最新トラックバック

アーカイブ
アクセス解析
アクセス解析
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

17日、よくわからない拍手のコメントをいただきました。
…ちょっとどう対応していいかわからないのですが…。
ここは別に伝言板ではないので…ね?
お話の感想などのコメントをいただけるのは大歓迎ですが・・・。


拍手お礼を更新しました。
ちょっとお食事をテーマにしてED3、ED2とあとちょいちょいとアキラを書いていく予定です。
ビトロとかも書きたいですね。
というわけでこちらにひとつお話をおろしますね。
このお話をアップしたのはだいぶ前ですよね…。

*ブランコ*


黄昏の中でキィィ、キィィ、とブランコが揺れる。

そのどこか哀愁を感じる音に気づいてアキラは車椅子を押す手を止めた。

「ちょっと寄ってこうか」

アキラはそうシキに囁きかけて、小さな公園の緩やかなスロープを上っていった。
寂れた公園には誰もいない。

「…最近追っ手が少なくなってきたと思わないか?……あったかくなってきたし、もうちょっと昼にも出かけられるようになるといいよな」

ブランコの隣にシキの乗る車椅子を停めて、アキラはちょん、とブランコに腰掛けた。
だんだんと寒さも和らいできていて、よく見れば芝生には黄色い花が咲いていた。

アキラはそれに目を留めてわずかに口元をほころばせる。

「施設にいたときは…人がいないときを見計らってこうやってブランコ乗ってたな…」

小さくブランコを傾がせながらアキラは隣のシキへと語りかける。

それはアキラの癖だったけれどこの行為を…語りかけることをやめようとは思わなかった。

「シキ…また俺のこと…見てくれるよな。…名前…呼んでくれるんだろ?」

隣で動かないままどこかを見つめるシキの頬をアキラがそっと撫でる。
この頬の冷たさだけがどこか懐かしかった。

少し哀しげに微笑みながらアキラは少し強めに足を振ってブランコを揺らした。
キィィイと鎖が軋んで独特の音を鳴らす。

「……待ってるから」

アキラはシキに聞こえないように小さく呟いて軽やかに地面に降り立った。

「帰ろうか…シキ」

オレンジの光が二人の頬を照らした。
意思をなくした赤い瞳が夕日を受けて一瞬生気を取り戻したように見えて、アキラは小さく息をのんだ。
そして…すぐにその息を大きく吐き出した。

シキの小さな変化にアキラはいつも希望を抱いて、すぐに勘違いであったと…悟るのだ。
膝の上の手の位置、とか少し動いた瞳、とか。
シキが"戻った"のではないかと、思うのだ。

「……帰ろう」

一度目をゆっくりと閉じてから、アキラはやわらかく微笑んで車椅子を押して歩き出した。

 

夕日の中、二人の影が長く伸びた。

 

拍手[1回]

PR

*あの日*



横たわる

その白肌に指を這わせて

閉じられたその双眸を思い出し

柔らかな髪を梳き

そっと口付ける



血の匂いのする

甘い肌に舌を這わせて

噛み付きたい衝動を抑え

優しく腕をまわし

睦言をささやく




握り締めたクロスが手のひらにくいこんで

まるで

あんたが残した熱のように

じわりと俺を侵すくせに

その目に俺を

…映してはくれない



あの熱を失いたくはなかったのに

確実に手のひらからこぼれていく砂のように

意識の欠片がこぼれていく

どんなに足掻いても

もう止めることはできないのだと

俺の力ではどうにもならないのだと


そう

気づいていたんだ

 

 

俺にあんたが微笑みかけた

あの日に

 

もう

気づいていたんだ

 

******************

拍手[2回]

ひさしぶりのED1です。
シキ目覚めてます~。

***************

*swords*


「アキラ」

寝室から不本意そうに自分を呼ぶ声にアキラは朝食の用意をしていた手を休める。

声の主のところに行けばシーツは乱れ、クッションはベッドの上で散らかり、彼の"挑戦"の跡が見て取れる。

「おはよう、シキ」
「…あぁ」

アキラはシキの背に腕を回して、ゆっくりとその体を起こしてやる。

"おはよう"

どんなにこの言葉が言いたかったなんて、きっとシキには分からないんだろう、とアキラは小さく笑った。

"目覚めた"ばかりのシキは動かさなかったせいで全身の筋肉が衰えており、未だ車椅子で生活をしている。
そんな己を嘲るでもなくシキはただ淡々と受け入れているようにアキラは思う。

ただ、やはり一刻も早く歩き、刀を扱いたいというのがシキの正直な願いであるのだろう。
事あるごとに独りで起き上がったり、歩くために筋肉を付け直そうとしていることもアキラは知っていた。

もっとも、アキラにしてみればもう少しこのまま自分が世話を焼いていたいというのもまた偽らざる本音なのだ。
どうせ歩けるようになればこうして自分を呼んでくれることもなくなるのだと、分かっていたから。
矜持の高いシキがいつまでもこの状態に甘んじていることないと、分かっていたから尚更だった。

「よく眠れたか?」
「まぁな」

シキは最近少しずつ睡眠時間が減ってきていた。
というよりはもとの調子に戻りつつあるのだろう。

目覚めてからしばらくはシキは半日ほど眠る生活を送り、それが徐々に減ってきて今では9時間程度だ。

「悪い夢、見なかったか?」
「あぁ。…そんなことより」

「わかってるよ」

ベッドの端まで車椅子を寄せてアキラはシキが車椅子に乗りやすいようにしてやった。

腕の力でなんとか車椅子に乗り、シキは小さく息をついた。

「朝飯できてるよ。コーヒーも淹れた」

ゆるゆると車椅子を前進させるシキを背後に感じながらアキラはシキにコーヒーを注いでやる。
最近は追っ手に遭遇することもほとんどなくなり、割合平穏な日々をすごしている。

一緒に朝食をとること、たまには二人で外に散歩に行くこと。
そんなことが夢みたいで、アキラは時々怖くなる。
シキが"眠って"いるとき、もう目覚めないんじゃないかと思ったのは一度や二度ではない。
それでも朝になればシキは必ず目を覚ました。

それが…ほんとうに幸せだった。


「シキが歩けるようになったら、あれ…返さないとな」

アキラが目線で指し示したのはシキの日本刀だ。
シキが目覚めたとき、真っ先にアキラはそれを帰そうとしたのだが、当のシキ本人に断られたのだった。
まだ、持っていろ、と。
アキラはシキが歩けるようになったときには返そうと、心に決めていた。

「そうだな。お前には長すぎて持て余しているように見える」

トーストに綺麗にバターを塗ってシキがふん、と笑った。

「シキの身長が規格外だからだよ」

己とシキを守ってきた日本刀は鍛錬の成果か、しっくりと手になじむまでになった。
それを手放すのを別に惜しいとは思わなかった。
元の持ち主に。
持つにふさわしい人間が使えばいい。

「だから今度はお前の身長に会った刀を作らせればいい」

スープを飲みながらなんてことないようにシキが放った一言にアキラはきょとん、とした。

「…あぁ、そうだな」

今度は二人で歩いていけばいいのだと。

そう許されている気がして。

訝しげに自分を見る真紅の瞳を感じながら、アキラは今度こそくすくすと声をあげて笑った。

**************
あとがきは続きにて。

拍手[2回]

*Scarlet Sorrow*

さく、さく、と乾燥した枯葉を踏みながらアキラは歩く。
先ほど追っ手を倒したばかりのアキラは心なしか疲れて見える。
とはいってもそれは容姿のせいではなく(アキラのコートには返り血すら見当たらない)、彼の醸し出す雰囲気がなにか暗澹としたものを孕んでいるかのようだったからだ。

(はやくシキの元へ帰ろう…)

アキラの心を捉えて放さない、彼。
今も部屋でただ虚空をみつめているのだろう。

さく、さく、さく。

柔らかい腐葉土の上にできた絨毯はアキラの一歩一歩を優しく受け止める。
赤や茶、黄の葉がアキラに踏まれ、割れて、僅かに舞い上がる。
やがてアキラはその歩を止めて、頭上に広がる紅葉を見つめた。
風にあわせて枝が揺れ、そしてたくさんの葉がひらりひらりと落ちてくる。
見えない風を視覚化するように、アキラに、降り注ぐ。

「…シキ」

こうして秋を迎えるのももう何度目だろう。
車椅子に乗るシキと二人で過ごして何年たったのだろう。

今はもうあの日本刀のような鋭い光をどこにも見つけられない紅い瞳は、鮮やかさはそのままにただのガラス玉のようになってしまった。
この、落ち葉のような紅。

血の色。

じっと足元に広がる葉を見つめ、アキラは感傷を振り払うかのように小さくゆっくりと首を振った。
そして、ふっと表情を緩め、優しい手つきで足元から何枚か落ち葉を拾った。
それを割れないように大切に胸ポケットに入れてアキラは再び歩き出す。

 

目を一度瞑り、ゆっくり開ける。
深呼吸を一つ、それからドアノブに手をかける。
ぎぎぎ、と軋んだ音を立てて扉が開く。
寂れたホテルの一室。
シキはアキラが出て行ったときと変わらぬ体勢でそこに、いた。

「ただいま、シキ」

柔らかい声でシキの名を呼び、その膝の上に先ほど拾ってきた落ち葉を乗せる。
アキラがシキの手に落ち葉を触れさせると擦れあってかさかさ、と乾いた音を立てた。
「シキ、ほら綺麗だろ?もう外は落ち葉でいっぱいなんだ。今度いっしょに観に行こうな?」

穏やか過ぎるほどの声音。
シキに向けられる表情はどこまでも凪いでいる。

「落ち葉がシキの瞳みたいで…綺麗なんだ」

アキラの指先がシキの目にかかった前髪をそっと梳く。

「……すごく、綺麗なんだ」

すこしだけ顔を歪めてアキラは、笑う。


困ったように、それでも幸福そうに。

********
あとがきは続きから!

拍手[0回]

 

キリ番お礼小説ですー。
モモ様のみお持ち帰り可となっております。

ED1のシキアキ。リクエストは「シキの世話をするアキラ」でした。
シキが目覚めた後にするかどうか迷いましたが「ED1」ということでいまだシキは眠ったままです。
あんまり「世話」の描写がないです…ね。すみませ!でも初ED1、とても楽しかったです。

リクエストありがとうございました!

********



シキが意思を手放して、その深い眠りについてから季節はもう二度も廻ってしまった。
まさしく飛ぶように過ぎていく時間の中でただ、シキのそばにいたくて、シキを守りたくて俺はなんとかやってこれたのだと思う。

だんだん凛としたその姿が薄れていくような気がして、恐ろしくて。
似た服を着て、俺の体にはつりあわない長いシキの刀を振るう。
使い慣れたナイフを捨ててでも、そうしたかった。
それがシキの存在を周囲に知らしめると同時に、俺の中でのシキを風化させないための精一杯の抗いだった。

ピクリとも自分の意志では動かないシキと逃げながら暮らしていくことにも慣れてきた。
最近では追っ手もだいぶ少なくなり、一所に留まる期間が少しずつではあるが延びてきてもいる。

いつだって俺は信じてるんだ。

シキは、戻ってくる。

そう…シキは誰より強いから。

 


DISILLUSION

 

「…シキ、ただいま」

アキラはそっと後ろ手で扉を閉めて、寝室に佇む車椅子のほうに近寄っていく。

「…寒くなかったか?春にはなったけどまだ少し冷えるから、気をつけないとな」

シキのそのすっかりとなだらかになった肩にカーディガンをかけるとアキラはふんわりと微笑んだ。
逃亡生活の初めのころはシキを部屋に一人にしておくことに抵抗があったアキラだが、それでもただでさえ人目を惹く容姿に、車椅子では人々の印象に残りすぎる。
追っ手は少なくなったとはいえ、ゼロではないのだ。
シキは部屋に残し、買出しは手早くアキラが一人で済ませることがここ2年の間で習慣化していた。
居場所を知られることが何より危険だと考えればこその選択だった。

「今日は粥にしたんだ。…俺、だいぶ料理がうまくなっただろ?」
片手に椀を持ってアキラが決して応えの返ってこない問いを投げかける。
当然、咀嚼もしないシキだからアキラは野菜などの具材を細かく刻んでから調理していた。
小さな匙でそれを己の口へ入れると、アキラはシキに口付ける。
その舌でシキの喉の方まで粥を送り出して、やっとシキは申し訳程度に嚥下するのだ。
匙では上手くいかなかった。量が多くてもだめだった。
アキラは一口、また一口とシキに食事という名の口付けを与え続ける。
水分を摂らせるときもそうだ。
少しずつ、少しずつ水を流し込んでやることでようやくシキの中に水分が取り込まれる。

アキラはその生存のために動く喉や舌を感じて、ほっとするのだ。
あぁ、生きていると。
実感するから。


さらさらと指どおりのよい漆黒の髪をアキラが以前より幾分か骨ばった指で梳く。
「髪も伸びてきたな。…今度切ろうか」
そこまで口にして、どこまでも穏やかだった瞳が不意に揺らぐ。
力が抜けたかのように膝を折って、下からシキを見上げると、膝の上に投げ出されたシキの手のひらに己の手を重ねた。

「…シキ」

かそけき呟きは空気になじんですぐに融ける。
もうずっと味わってきた感覚だった。
当然、応えはない。
そう。アキラはそんなことくらいわかっていた。
だけれど、いつだって少しの期待を捨てきれない。
今度こそ呼びかければ不機嫌な声で"…なんだ?"と応えが返ってきやしないかと、いつだって思っているのだ。
その声を思い起こす度にアキラは自分がどういう表情をしているかよくわからなくなる。

もしかしたらずっと目覚めることはないのかもしれない。
アキラだってそう考えることがないわけではなかった。
それでもいつもアキラはシキに語りかける。
シキの目覚めを待って。
シキが目覚めるまで、語りかけるのだ。
ほんの少しの希望を胸に抱いて。

「…あんまり待たせるな……」

冷たい手を握って、震える声を押し隠すように、困ったような声音で呟く。
アキラは少し迷って、その後ゆっくりとその唇でシキの口唇をふさぐ。
ただ唇を重ねるだけの、キス。
冷たい体温が余計シキを思い出させてアキラはぎゅっと目を瞑る。

つぅっとアキラの頬を伝った涙が、顎先からぽたりと一滴、シキの手のひらを濡らした。


しばらくしてアキラはゆっくりと立ち上がり、目の端に滲む涙を拭って微笑んだ。

「シキ…俺、待ってるから」

「……ずっと、待ってるよ」

虚空を見つめ続けるシキの額にキスを落とし、顔を洗うために背を向けたアキラは、知らない。

 

 


アキラの涙が落ちたその、シキの指先がぴくりと動いたことを。

拍手[4回]

* HOME *
BrownBetty 
忍者ブログ [PR]