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唇のあわいからあなたへ甘い毒を注ぐ。幾度も、幾度も。
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キリ番は500単位で受付中です。
お礼SSを書かせていただいてます。
踏まれた方はコメントか拍手でご一報くださいね。
シチュエーションなどリクエストいただけると助かります~。



ぱちぱち

プロフィール

HN:
coffin
性別:
女性
自己紹介:
無類のシキアキスト。
次点でリンアキ、グンアキ。
そしてわりと好きなカウアキ。
なんにせよアキラは受けです。

あの可愛いさは反則…!
*************
リンクフリーです。
バナーはお持ち帰りくださいね。


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なんだかとってもエロスが書きたくなって!!
自分の欲求は自分で解消させましょう、と思って書いたんですけどね~。
進展がんまりよろしくなかったので途中にもかかわらず投下してしまいます。
ほほほ。
収拾がつかなくて。
なんとなくED2です。
…なんとなく。

***********************

*no title*


「っぁ…あ…はぁ…ん…っん」

アキラの体が揺れる。
そして髪もそれに同調するようにゆれていた。
しっとりと濡れた体を水滴がつたっていく。
湿度の高い浴室にアキラの声が響く。
一糸纏わぬ姿であるアキラに対し、シキに衣服の乱れは見られない。

浴室で立ったまま後ろからシキに貫かれ、アキラはもう長いこと嬌声をあげ続けていた。
体を支えるように壁についた手のひらも力は入らずシキの片腕の力でのみアキラは立っているようなものだった。
シキの手により快楽を与え続けられながらも前は達せないように戒められたままだ。
一方、長い時間をかけて何度もシキはアキラの中で熱い欲望を吐き出し、またそれをかき回す、それの繰り返しだった。
未だその精が尽きる気配は無く。
泡だった白い熱がアキラの白く、細い内腿を伝っていくのをシキは面白そうに指でたどっていった。
シキの長く繊細な指がアキラの肌に触れるたびにアキラの体はぴくんと跳ねる。


「随分とよさそうだな?」
「んっ……や…っは……総帥……もうっ」
「まったく、こういうときばかりお前は…」

名前を呼べといっただろうと少しいらだたしげに言われてアキラはこくこくと頷いた。

「し…きぃ…」
「仕置きだと、いっただろう?」

ほんの些細なことでただシキが仕置きだとか、躾だとかいう理由をつけてアキラを抱くことは良くあった。
今日もその例に漏れることなく、だった。
いやいやと首をなんども振ってアキラの腰が無意識に揺れる。
冷たい壁に己の屹立したそれを擦り付ける。

「っあ…ん」

自分で生じさせた快楽に悩ましげな声をあげ、アキラの膝が抜ける。
壁にアキラの体を押し付けるようにして支えるとシキはいささか乱暴に己の熱をアキラの中から引き抜いた。

「っぁ…やだ…ぁ…」

シキが急激にはなれていく感覚にアキラはいやだと声を上げた。
攻め立てられるのも嫌だというくせに、シキが己の中に居なくなるのもまた嫌なのだと、そうシキに訴える。

「わがままだな」

アキラははぁはぁ、と息を荒げながら支えを失ってくたり、と床に座り込んだ。
もっとも座り込んだというよりも倒れこんだという言葉のほうが正しかったが。
久方ぶりにアキラの顔を覗き込んでシキは喉の奥でくつくつと笑った。

「すぐにそんな顔をするから下らん奴ばかりに襲われるんだ」
「襲われて…など……」

荒い息のまま訴えるアキラの顔は男を誘っているそれに違いなかった。
喘ぎ続け少しかすれた声と、涙を流し続けて潤んだ瞳に赤くなった目じり。
ぬれた体はほんのりと朱に染まり、ところどころにシキがつけた跡が赤い花を咲かせていた。
 

拍手[4回]

PR

まだ途中で、この先も少しは書いているのですが、なんだかぐるぐるし始めたのでとりあえず投下です。
魂までも~のその後です。
まだ未読の方はそちらから読まれるとなんとなくいいかもしれません。
書くたびに文才欲しいな…!!と心から思います。
どうしたらいいんでしょうか!

*********************
*手折る*



唇を奪って、その感触を十分に堪能した後に離してやれば、アキラの唇は濡れて、瞳は若干潤み、色香の漂うことこの上なかった。

「シキ…服が…」
「服?」
「皺に…なりま、す…っ」

それなのにアキラがこんなことばかり気にするようになったのが最近、少々悩みの種でもあるのだが。
いつもならば俺の背なり首なりに腕を回してくるのが常だというのに今ばかりは己の手のひらをぐっと握りこんでいた理由が分かった。
その理由が、"服の皺"。
ひとつため息をついてから、己の服のボタンを全てはずしてしまう。
前のみをはだけるようにすればアキラはなぜか不意に目をそらした。

「ならばさっさと脱げ。でなければお前は皺の寄った軍服を着て視察を行うことになるが?」

アキラは逡巡した後にジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩め、そしてカッターシャツのボタンへと手をかけた。
俺と同じ様に開いたシャツの間から白い肌がちらちらと見え隠れする。
露になった素肌に手のひらを滑らせればしっとりと吸い付くようだった。
そのまま指先を追いかけるように首筋から鎖骨、胸、腹へと舌でたどっていく。
淡く色づいた胸の果実を柔らかく噛めば、それだけでアキラはしなやかに背をそらせた。

「あぁ…っは」

いつかのように嬲るために抱くのでは決してない。
ただこの体を手に入れたいと思ったのだ。
気高く、美しいアキラを。
全て、手にしたいと。

「どうした、もう息が上がっているな」
「っぁ…」

アキラが弱いと知りながら耳元でささやいてやれば、それだけでその体はぴくんと震えた。

「…っ」

すがりつくようにようやく回された腕。
密着する素肌の温度に慣れたのはいつからだっただろうか。
そっとアキラの唇が首筋に触れるのを感じる。
そのまま緩やかに下降してアキラは床へと完全に膝をついた。
もどかしげに俺のベルトを緩め、まだ芯を持たないそれにゆっくりと口付ける。

「ん…っはぁ…ぅん」

必死に舌を絡めて、吸い上げ、しゃぶる。
まるで極上の食事を口にするようにうっとりとしたアキラの表情はなかなか見ることができない。
以前はこの行為も強要していたのだが、いつの間にやらアキラが自発的に行うようになって久しい。
顔にかかる髪が邪魔で指でアキラの耳にかけてやれば小さく体を震わせた。

拍手[4回]

*魂までも縛られたい*

その鮮烈な瞳に見つめられると、どうしようもなく自分への劣等感を感じることは否めない。
自分にとって、まぶしすぎる存在だからだろう。
絶対の、存在。

彼が"やれ"と命じたならば、あらゆる手段を講じて俺はその命令を遂行する。
それが俺に出来ることだと、思っている。


「っ…」

無意識に俺は息を呑んで自分の指先をまじまじと見つめた。
指先からぷくりと真紅の珠がみるみると膨れ上がった。
皺ひとつないピンとした書類の端で指先を切ったのだろう。
書類を捲りにくく、手袋を外したのが悪かったのか。
そっとその傷口に唇に宛てて。

「アキラ」
「はい」
「…なんて顔をしてる」
「は…?」

今はサイタマへ視察へ向かう車中だ。
シキの言葉に俺は顔を上げた。
運転手との無線が切れていることを目の片端ですばやく確認する。
シキと俺が乗っている後部座席と運転席とはスモークガラスで隔てられ、音声もスイッチを入れない限りはやり取りできない仕様になっている。

「…これから行くサイタマはまだ内乱を平定してから間が無いのはわかっているだろう?そんな男を誘う目をしていてはハイエナの群れに小鹿を投げ込むようなものだ」

ため息混じりに、わかっているのか?と顎を持ち上げられて俺はもっていた書類を膝においた。
言われていることが…理解できなかった。
…小鹿?

「総帥…?」
「アキラ」
「……シキ」

そう言い直すと満足そうにシキは笑った。

「自覚が無いというのもまた愚かなことだな」
「愚か…ですか」

ネクタイを引かれてぐっと喉が絞まる。
苦しさに顔をしかめればシキの紅い瞳が喜色に染まるのがわかった。
なんて…美しいのだろう。

「城内ではお前の部隊に入ることを目指している兵が多いらしい。士気が上がっていいことだが」

知っていたか?と聞かれて俺はいいえ、と声を絞り出す。

「ですが…俺の部隊よりも総帥直属部隊のほうが…」

俺の率いる部隊はシキのサポートを行う秘書室と、外交の場などにおける身辺警護を兼ねている。
もともとシキ自身の戦闘力を鑑みれば身辺警護などは必要なく、また城内ではシキが嫌がるため、傍にはほぼ俺しかついていない。
しかし仮にも総帥警護の任につく人間だ。
決して能力の劣った人間を引き抜いているわけではないが、兵達にしてみれば文官などの仕事よりも力を認められるという点ではシキ直属の部隊のほうが位は上のはずだ。

大仰にため息をついたあと、わかっていないなとぱっと手を離される。
きつくなったネクタイを僅かに緩めて俺はほっと息をつく。

「申し訳…ありません」
「なぜ謝る?自分に非があると思っているのか?それとも俺の言ったことを理解して自分の愚かしさに気がついたのか?」

言ってみろ、と顎を持ち上げられて俺は答えに窮する。
実際、何が"愚か"で何を"わかっていない"のか俺にはわからなかった。
だからわからなかった俺の至らなさを謝罪したのだが。

「目的地までは後何分だ?」
「予定では45分後に到着です」

腕時計を確認して報告すれば一瞬何かを考えるようにした後、シキは俺を引き寄せて、口の端だけで笑った。
あぁ…この微笑みは。

「この身に教えてやろう。お前がどれだけ甘美な声で鳴き、みだらな体をしているかをな」

ばさばさっと書類が膝から足元へと音を立てて落ちていく。
それはまるで鳥の羽ばたきの音に似て。
その音は黒くそびえるのシキの城から夕時にいっせいに飛び立つカラスを俺に思い起こさせた。
この瞳に魅入られた、俺は獲物。
喜んで、この身を捧げよう。

 

魂 ま で も 縛 ら れ た い





******************************
あとがきは続きから
 

拍手[3回]

遅ればせながら一周年記念フリーのお話です。
近々といいながらとっても時間がかかってしまいました。
終わり方が…わからなくて……。
しかも苦手なED2!!
少しでも皆様に喜んでいただければと思います。
フリーですのでよろしければお持ち帰りください~v

*********************

*Birth day*

長い回廊の奥の奥。
城の最奥、といっても良いところにシキの執務室はある。

ある日の午後、その執務室のソファでアキラが穏やかな寝息を立てていた。
薄く開いた唇と、長い睫が頬に影を作る。
飲みかけの紅茶が入ったカップからは湯気が立ち上がっている。
午後の束の間の休息。

コーヒーをソーサーに戻しながら珍しいこともあるものだ、とシキはその口の端をわずかに引き上げる。
昨日まで各国との会談の調整でアキラは誰よりも働いていたせいだろう。
ここ二週間は2時間程度の仮眠しかとらず、昨日、一昨日は寝ていないはずだった。
手袋をはずした手の甲でそっとアキラの頬を撫でてから、隣の寝室から持ってきた薄いブランケットをそっとかけてやる。

アキラが管理する手帳を開いてこれからの予定を確認する。

「……午後は書類の決済か」

アキラが昨日までに処理した書類がシキに行くのは当然だった。
といってもその量は通常の倍以上だが。
ふむ、と一通り目を通してからシキはアキラの執務室に集められた書類をとりにいくため執務室の扉を開けた。

「誰も近寄らせるな。それから定時報告は18時の分にまとめて行うように言っておけ」

回廊の入り口を警備する兵にそういい置いてシキは足音も高らかに歩き去る。


城内を歩けばすぐに総帥たるシキに気づいた将校が慌ててシキの後ろに控えた。

「総帥、なにか不備がございましたでしょうか」

「気にするな。ただ少しばかり用事がな。………おい」

「は」

角を曲がったところでシキがぴたりと足を止める。

「あれは…何だ」

普段、寝室としてはほとんど使われることのないアキラの執務室もとい、部屋の前に軍服姿の兵達が郡をなしていた。
なぜかそれぞれが小箱や袋を抱えている。
そして、その部屋の前には兵達が抱えているような箱が既に積まれていた。

「少々お待ちください」

すぐ近くに立つシキに気がつくと兵達は持っていた荷物を隠すように散っていった。
普段ならば総帥を前に敬礼こそすれ逃げるなどありえないことだ。
それとも敬礼できない理由があったのか。
これはますます解せない、とシキは眉を顰めた。
将校が目の前の群の中から一人を捕まえて事情を説明させると、すぐに青ざめたような顔で帰ってきた。
その足取りは心なしか…重い。

「どうした」

「は。…あの…非常に申し上げにくいのですが」

「要件を言え」

シキの柳眉が中央によるのを見て慌てて将校が姿勢を正した。

「アキラ様の…御誕生日の贈り物、と言っておりました」

「誕生日だと…?」

明らかに温度の下がった声音でシキが呟けば息を呑んだ将校が普段から姿勢のよい背をさらに正した。
シキの補佐であるアキラがシキの寵愛を受けていることはこの城の者であれば誰でも知っている。
恐れ多くもそのアキラへの贈り物などと言い出したの一体誰なのだと将校の背を冷たい汗が伝う。

「すぐに片付けさせます」

その言葉がきちんと実行されるかを確認する前にふん、と鼻を鳴らすとシキは詰まれた箱には目もくれずアキラの部屋の扉を開けた。
溢れそうなほど書類の入れられたケースを持って部屋を出れば既にプレゼントだったらしい山は姿を消していた。

「…誕生日か」

聞いた事がない、とシキは目を眇めて己の部屋へと続く扉を押し開けた。

アキラは出て行ったときのままの体勢でまだ眠りの中にいるようだった。
薄い胸が上下に動いているのを確認するとシキは音を立てぬようにそっと抱えていたケースをデスクの上に置いた。

「ん…」

シキがチェアに座った瞬間、アキラの睫が震えて、その青灰の瞳が露になる。
チェアのきしむ音か、それとも部屋のシキの気配にアキラの意識が揺り動かされたのか。
ブランケットを握り締めて二度三度瞬きをするとはっと息を呑んで身を起こした。

「起きたか」

一瞬で事態を理解したアキラがブランケットを抱えたまま立ち上がる。

「…ッ…申し訳ありません!!」

慌てて立ち上がったアキラにシキは薄い紙をぺらぺらと振って見せた。

「いい。気にするな。それよりこれを手伝え」

美しい寝顔をもう少し見ているのも悪くなかったと、シキはアキラに気づかれぬように口の端を少し引き上げた。

 


深夜に近い時間。
ハードなデスクワークも1時間ほど前に終わり、アキラはたった今全ての書類を関連部署へと送り返したところだった。
こんこん、と控えめなノックの音がシキの執務室に響く。

「入れ」

「失礼します」

まるで教本に載っている見本のように綺麗に礼をしてアキラが部屋へと入る。
ぎ、と音を立ててこの部屋の、いやこの城の主が革張りの椅子をゆるく回転させた。

「終わったか」

「はい。全て滞りなく」

「そうか。…一杯付き合え」

その顎先で示した先にはシャンパンクーラーに入ったシャンパンボトルとそれからシードル、傍らに置かれたシャンパングラス。
綺麗に磨かれたフルート型のグラスが照明を反射してきらりと光った。

アキラがシキにこうして酒に誘われることは稀だった。
シキがアキラに無理やりブランデーを飲ませて潰してしまって以来だろうか。
生来アキラは酒に強いほうではなかったし、シキもそれを承知していたからだ。

不思議に思いながらもアキラはシャンパンクーラーからボトルを取り出す。
適度に冷えたボトルの栓を注意して抜く。

シキがシャンパンを飲むのを見たことがない、とアキラは僅かに首を傾げる。
意外とアルコール度数の高いシャンパンだが、シキにとっては大したものではないのだろう。
アキラにはシードル程度さえ立派な酒なのだが。

「…なにか良いことが?…ぁ…トウホクの制圧が終わりそうですからその前祝い、ですか?」

アキラは最近膠着気味だったトウホクの制圧が近々終わりを迎えそうだという今朝の報告書を思い出す。

「さぁな」

慣れた手つきでグラスにアキラがシャンパンを注ぐ。
淡い金の液体が小さく泡を立ててグラスで踊った。

「どうぞ」

「…今日は城が騒がしかったな」

シキにグラスを渡すとアキラも自分の分のグラスにシードルを注いでそっと口をつけた。
りんごの香りがふわりとアキラの鼻腔を刺激する。

「…そうですね…なにやら兵達が浮き足立っていました。先ほど見かけた部隊には気を引き締めるように言ったのですが」

顔色を伺われているようで奇妙でした、とアキラは首をかしげた。

「…………心当たりはないのか?」

「…いえ、特には」

シキは真剣に悩むアキラの顔を見て小さくため息をついた。

「どうかなされましたか?………っ」

ことりとグラスを置いて勢いよくアキラの腕をシキが引く。
バランスを立て直そうとすることと、片手に持ったグラスの中身をこぼさぬようにとすることに意識をとられてアキラはおとなしくシキ

の腕の中に収まった。
あまりに近い距離にアキラがわずかに目をそらす。

「…今日がお前の誕生日だと、兵が騒いでいた」

アキラのネクタイに指をかけてゆっくりと解きながらシキが言う。

「誕…生日ですか。………あぁ、部屋の前においてあったたくさんの包みは一体何かと思っていたのですが…」

なるほど、とアキラは小さく頷く。
シキが片付けさせたその後にも置いた輩が何人もいたのだろう。

「誕生日を部下に祝われるなどと…ずいぶんな人気だな?」

シャツの裾から差し込まれるシキの手にぴくりと肩を弾ませる度にアキラの持つグラスの中でシードルがゆらゆら揺れる。

「そ…うす…い…」

「……なんだ?」

唇か触れるか触れないかというところでシキの唇が笑みをかたちどる。

「ぁ……ちが…」

臍のピアスにシキの指がかかるだけでアキラの体はあっというまに熱を灯す。
その形のよい薄い唇が何かを言いたげに開くのをみるとシキは僅かに手の動きを止めた。

「っ…ひぁ…今日は…ん…俺の誕生日じゃ…な…っ」

「……なに?」

手を止めたシキにほっとしたようにアキラが体をわずかに弛緩させる。

「っ…俺の誕生日は…今日じゃないんです」

荒い息の合間に紡ぐアキラの言葉にシキが片眉を跳ね上げつつシャツのボタンを全てはずしてしまう。
アキラの乱れた服から色香が香る。

「……そうか…」

一瞬何かを思案する風を見せたがすぐに手の動きを再開する。
手袋越しにしか伝わってこないじれったい感触にアキラが熱い吐息をこぼした。

「…はい…ぁ…っんん」

「アキラ…それより言うことがあるだろう?」

誕生日が今日でないことはシキの誤算だったが、シキとしてはアキラを抱くのにいちいち理由をつける必要もないと思いなおす。
喉元を舌で辿りながらシキが面白げにそう言えば己の力で体を支えられなくなったアキラがシキのほうへ緩やかに倒れこんでくる。
その腰をしっかりと抱え、背骨をひとつずつ辿るように徐々に下方から上方へともう片方の手を動かした。

「総帥……ぁ…」

「違うだろう?」

キスを焦らすように鼻先が触れ合う距離でシキがささやく。
求めてもまだ与えられないキスにアキラがシキのシャツを握り締める。

「……っ…シキ…ッ…」

ようやく呼ばれた名前に、満足そうにシキの唇が弧を描く。

「良い子だ」

今度こそ与えられる深い深い口付けにアキラの背が緩くしなる。
角度を変えて幾度も幾度も。
ようやくわずかに唇が離れればその間を銀糸が伝った。

「…シキ…ぁ…ベッド……で」

「…仕方のないやつだ」

くたりと力の抜け切ったアキラを軽々と抱えシキは寝室のドアを開く。

運ばれる途中でもどかしげにアキラはボタンの全てはずされたシャツを脱ぎ捨て、帽子をシキに床に放られる。
ベッドまでの距離に転々とアキラの服やシキの上着が落とされていく。

「シキ…」

ベッドに髪を散らせながらシキの首元へ腕を伸ばしてその顔を自分のほうへ近づけた。


「俺の誕生日は…」

 

その耳元にアキラはそっと囁いた。
満足げに笑うとシキはアキラの首筋に噛み付いて赤い赤いシルシをその身に刻み付ける。


己のものだと、そう主張するかのように。


*********************
あとがきは続きから

拍手[6回]


*奈落へのはばたき*

シキが軍を編成してまだ間もない。
まずは城の中の整備から始めたシキだが、それと同時に軍服を作らせた。
不思議がるアキラにシキはただ"カタチからなさなければならない事もある"とだけ言った。
多くの人間を統率するためには必要なことなのだと、アキラは後から知ることになる。


仕事が終わり寝室に入るなりシキが上着を脱ぐのを見て、アキラは後ろから手伝うようにしてそれを受け取った。
皺の入らぬように綺麗にコート掛けにかける。
隣の執務室には決済を終えたばかりの書類が積まれているが、これを各部署に戻すのは明日の仕事だ。

アキラは小さく息を吐いてじっと己の軍服を見つめる。
布地は厚く、丈夫で動きやすいように配慮されてはいたが重さはどうにも否めなかった。
もっとも、この布地の厚みがあるからこそ多少刀が掠った程度で怪我をしないのも、事実なのだが。
アキラは今までパーカーやTシャツばかり着ていたから余計そう感じるのかもしれない。
腰に掃いた刀の重みには慣れてもこの服の重みに慣れるまではまだしばらくかかりそうだった。
首を軽く回せばなんとも渇いた音が響きアキラは僅かに瞑目した。

「どうした?」

シキはぞんざいにネクタイを緩めながらアキラの帽子を脱がせ、床に放った。

「いえ…まだ服の重みに慣れていないので」

少し重たいんです、と続けたアキラにシキは鷹揚に頷いた。

「そうか、ならば…脱がせてやろう」

「え…?わ…総…すっ」

ぐい、とアキラのネクタイを掴んで引き寄せてからシキは噛み付くようにアキラに口付けた。
所在無げにさまよっていたアキラの手がゆるゆるとシキのシャツを掴む。
しゅるる、とネクタイが解かれ、引き抜かれてすぐに上着にも手がかかる。

「名前で呼べと言ったはずだが?」

ぽぅと僅かに上気した頬でアキラはこくりと頷いた。

「……シキ…」

そうだ、とシキの唇が弧を描く。
シキが軍を組織して、アキラがその傍に仕えるようになってからはアキラは懸命にシキの事を"総帥"と呼んでいた。

これも"カタチ"なのだとアキラは理解している。
口調も今までの粗雑なものから丁寧なものに切り替えた。
シキの傍に居るからこそ、それは大事なことであるように思えたのだ。
一方シキはアキラと二人の時にはアキラがシキの事を"総帥"と呼ぶことを良しとしなかったがそれ以外ではアキラの拙い努力を見るのは気に入っていたからアキラの思うようにさせていた。

倒れこむようにシキはアキラをベッドへと押し倒してその柔らかな首筋に緩く歯を立てる。
その間もアキラの衣服を剥ぎ取っていくことは忘れない。

「ふ…ぁ…シキ…」

「なんだ?」

愉快そうにシキがアキラに続きを促す。
…アキラのブーツがごとりと音を立てて床に落ちた。

アキラは何も言わず、いつの間にか手袋までも取り去ったシキの手を捕まえてそっと口元まで持ってきた。
その指先に薄い唇を寄せて口付ける。
人差し指から小指まで順にシキの指先が僅かな熱を感じる。
シキは残った片方のブーツも同様にして床に落とす。

ごとり、と音がした。

熱に潤み始めたアキラの瞳がさまざまな色を見せながらシキを映す。

一瞬いとおしげにシキはその瞳を見つめ返し、そしてすぐにアキラに捕らえられていた手を引き抜いた。

「ぁ…」

残念そうに、アキラが小さな声を上げる。

ふん、とシキは笑って肌蹴たシャツから覗く白い肌に手を滑らせた。
ぴくん、と小さく震えるのはいつものことだ。

わざと臍のピアスには触れずに、じわりとその周りだけを撫でればアキラが耐え切れなくなったのか身を捩って快感から逃れようとする。

抵抗するという選択肢は今のアキラにはもちろん無く、ただその両手がシーツを握って皺を増やしていくだけだ。
シキに抱かれるという行為をアキラはいつの間にかこの上ない幸福だと、感じるまでに変わっていた。
いつから、ではなく徐々に。

シキとしても部下の前で見せる冷徹なアキラの仮面をひとつずつ剥ぎ取って快楽に身をゆだねた時の表情を見ることに優越感にも似た感情を覚えていた。
いつから、ではなく徐々に。

足首のあたりに申し訳程度に引っかかっていたズボンと下着もアキラが足をするりと抜いて床に落ちた。

どうしようもないもどかしい快感にアキラはただ浅い呼吸を繰り返し、火照る体に冷たいシキの指先を鮮明に感じた。

「ひぁ…」

その冷たい指先が不意にアキラのその中心へと触れた。
既に屹立していたアキラの中心から零れる蜜を掬ってはシキはアキラの後孔へと塗りつける。
シキは決してアキラを絶頂へ導こうとはせずただただ先端を指先で弄い、アキラの首、胸、腹へと赤い花を散らしていった。

「似合うな…」

白い肌によく映える花に満足そうににやりと口の端を引き上げて己のものをアキラへと宛がう。
熱く質量を伴ってゆっくりと己のナカにシキを迎え入れながらアキラは苦しげに息を吐いた。

「んぅ…は…ぁ…」

「まだ慣れないのか、お前は」

アキラはその問いにただ首をふった。
肯定とも否定とも受け取れるような行為にシキは何も言わずぐいとアキラの腰を引き寄せた。
シキの根元まで飲み込んで内臓を押し上げるような感覚にアキラは小さく息をつめる。

アキラの呼吸が整うのも待たずにシキはゆっくりと律動を開始した。

「ぁ…あ…んぁ…ひぁ…ゃ…」

ぎゅっと指先が白むまでシーツを握ったアキラの口から甘やかな声が零れ落ちる。
その腕をシキは己の首へと回させてよりアキラと密着するように突き上げた。
アキラの素肌に堅い軍服があたる。
生理的な涙が一筋頬をつたって、シーツに染みを作っていく。
アキラの快感のポイントだけをシキは巧みに擦りあげた。

「ひ…ぁん……ん…ぁ…」

薄く開かれた瞳はどこを見ているか分からない。

「アキラ」

しかし名を呼ばれた瞬間、さまよっていたアキラの焦点がぴたりとシキの瞳に定まる。
潤んだ瞳は確かにシキを見ていた。

シキは汗で額に張り付いたアキラの髪を優しく払ってやりながら流れた涙を舌先で拭う。

「あ…っ…」

途端、奥まで穿たれてアキラの背が撓る。

「シキ…シ…キ……ぁん」

もうイきたいとアキラが強請る。
アキラの中心は切なげに揺れて、今にも熱を放ちそうだ。

「いいだろう」

シキはアキラの屹立したそれを緩く握りこんで緩急をつけながら上下に扱いてやった。
同時にアキラの最奥まで深く突き上げる。

「あ…あ…ぁ…や…んん…シキ…っ…シキ…!!」

「……っ」

前も後ろもシキに攻め立てられアキラはあっけなく白濁をその腹に飛ばした。
何拍か遅れてシキも熱くうねるアキラの中へと己の欲望の飛沫を吐き出した。
全て搾り取ろうとするかのような内壁の動きにシキは苦笑ともつかぬ声を漏らし大きく胸を上下させるアキラを見つめた。

射精の余韻に浸りながらゆっくりと瞬きをするアキラがそっとシキの方へ手を伸ばす。
その少し汗ばんだ首筋をなぞってうっとりと微笑んだ顔は壮絶なまでの色気を孕んでいてシキは僅かに瞠目した。

「シキ…傍に……いさせて」

その顔とは裏腹に紡がれた声は僅かに震えて弱々しいものだった。
はん、と鼻で笑ってからシキはアキラの鎖骨に歯を立てた。
犬歯が僅かに食い込んでアキラが小さく喉を鳴らす。
つぷり、と肌を食い破った音が聞こえるような気さえして。

「離れることなど…許さない」

しっかりと顔を上げてシキが不適に笑う。
アキラの血のついた赤い唇を舐めて、笑う。


「……はい」


その血のように赤い瞳を見つめながらアキラは嬉しそうに頷いた。

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BrownBetty 
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