珍しくリンアキのお話を書いてみました。
二人でわぁわぁいって生活してて欲しいです。
間が開きすぎたせいでなんのお礼をこちらにおろして来ていないのかわかりません…。
エイプリルフールの日のお話とかまだ手元にあるんですけど…。
整理しなくちゃ!
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*snow*
遠目から雪の上に横たわったアキラを見たとき、心臓が…跳ねた。
青白い肌と紫色の唇。
死んだかと…思ったなどと…そんなことアキラに告げる気は無いが。
突然両手が天に伸ばされて、生きている、と分かったのはそのすぐ後だった。
何かを掴むかのように指先が動く。
まだ柔らかい雪を踏みしめてアキラのそばまで行けばアキラは俺を見上げて微笑んだ。
「何をしている」
「雪が降ったから」
「だから何だ」
「足跡を…つけたくなった」
確かにアキラの周りには足跡がついていた。
それは新雪に覆われて少し輪郭をぼやけさせているようだったが、足跡で円をかいたようなものがあちこちに広がっていた。
全く持ってくだらん理由だ。
「それで、足跡だけでは飽き足らずそこに寝ているのか」
「ううん。こうしてると…俺だけに雪が降ってるみたいに見えるんだ」
「さっさと起きろ。風邪をひく気か」
アキラは一瞬目を見開いてからおとなしく体を起こした。
腰に抱きついてくるのを引き剥がす。
「濡れる」
不満そうな声を上げるアキラの声を背に中庭から城へと歩みを進める。
「ね…俺が風邪ひいたら心配する?」
「さぁな」
まとわりつかれるのは嫌いだったはずなのだが。
なぜかアキラにはそれを許している。
理由を考えるのも腹立たしかった。
「ねぇ、シキ」
「だまれ」
うるさいその唇を塞いでおとなしくさせた。
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