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唇のあわいからあなたへ甘い毒を注ぐ。幾度も、幾度も。
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ぱちぱち

プロフィール

HN:
coffin
性別:
女性
自己紹介:
無類のシキアキスト。
次点でリンアキ、グンアキ。
そしてわりと好きなカウアキ。
なんにせよアキラは受けです。

あの可愛いさは反則…!
*************
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下の記事で言っていたシキアキ前提のカウアキ。
いや、カウアキというかカウ+アキラという感じになりそうです。
書き終わりませんでした…。
なるべく早く続きを書くようにしますのでもう少しお付き合いくださいー。

*********************

*邂逅-01*

その日アキラが外庭を出歩いていたのは単なる気まぐれだった。
シキが朝から忙しく、ずっと放って置かれたからという理由があるにはあったのだがそれにしてもアキラが城から出ることなど滅多にないからして、気まぐれと呼んでも差し障りはないだろう。

 

いつものようにシャツだけを羽織り、適当にボタンで留めてアキラは空を見上げる。

(くもり…)

あまり日差しが強いと、アキラはすぐに疲労してしまうため曇りのほうが何かと都合はいいのだ。
本人が、ではなく周囲の兵たちが、だが。
ぐったりとしたアキラを連れ帰ればシキに睨まれる事は間違いないからだ。
たとえ己が罪を犯していないとしても、だ。


その素足に柔らかい芝の感触を楽しみながらゆっくり歩く。
観賞用の植物は(こんな荒んだ土地でそんなものがあるのは、ひとえにアキラのために中庭が作られたからだ)専ら中庭に植えられているため外庭には何もないのだが。

「シキはまだかな」

ふわふわとした足取りで楽しそうにアキラが笑う。

そのとき俄かに正門のほうが騒がしくなってアキラの気がそちらに逸れる。
ざわざわと困惑した様子の男たちの方へぺたぺたと向かえば、途中から地面は芝でなくなり、敷き詰められた石畳や小石がアキラの柔らかな足裏を傷つけた。

「ねぇ、どうしたの?」

「アキラ様…!危険ですのでお下がりください。不審人物がちょうど発見されたところでして」
「…ふぅん」

なんだ、たいしたことではない、とアキラの興味は薄れたかのように見えたが次の瞬間両腕を一人の兵士に拘束されたその人物を見てアキラの頭を何かがよぎった。

"それ"はアキラに向かって手を伸ばして兵士たちに抗っていたがその行為が余計周囲に警戒を与えてしまっていた。
既視感がぬぐえずにもう一度見ようと試みてはみたもののアキラの周りには3人の兵士が張り付き、ぴりぴりとした緊張感さえ漂わせている。
この場で最も重要なのはアキラに傷ひとつ負わせないことなのだ。

その男たちの隙間からアキラはそっと向こうを伺う。

胸元に見えるいくつものピアス。
拘束具のような黒い革の服。
汚れてはいるが美しいプラチナの髪に細い体躯。

「ぁ…」

その既視感の正体を突き止めたアキラは小さく声を上げた。
それにすぐに気づいた兵士がアキラの方を向いてたずねる。

「どうかなさいましたでしょうか?」
「あれ、放してあげて」
「…と申されましても…あの人物は不審者として拘束しておりますので」
「あれ、俺の知ってるヒトだから」

人と呼ぶには少し違う気がしたが仕方がない。

「ですが…」

アキラが知っている人物だとはいえ、その格好は明らかに常軌を逸したものだし、害をなさないとは言い切れない。

「ねぇ、俺の言ってることわかるよね?それともシキにお願いしたほうがいいの?」

一人の男の手をとって、己の頬に宛てながらアキラはうっそりと笑んだ。
そのままその手を徐々にシャツの中へと導くように降下させる。
振り払うようにあわててその手を引き抜いた男はアキラがその対象に近づこうとももはや何も言わなかった。
もちろん、細心の注意は払っていたのだが。

「おい、そいつを解放してやれ。アキラ様のお知り合いらしい」
「失礼しましたっ」

敬礼をとる彼らにかまいもせずにアキラはそっと近寄ってその髪に手を伸ばす。

「…カウ」

そっと名前を呼んでやれば喜びを表すようにアキラの胸に鼻先をすりつけ、ぎゅっと抱きつく。
それはアルビトロがひどく気に入ってそばにいつも置いていたカウという名の少年だった。
髪や服がすっかりと汚れてしまっていたが間違いない。
おそらくアキラの匂いも覚えていたのだろう。
警戒心などちっとも見せずアキラの顔を舐めまわす。

「おまえ、なにしにきたの?」

くすくすと笑いながらたずねながらその背にゆっくり腕をまわす。
そしてたずねた後にカウの主人はもういないことをアキラは思い出す。

あぁ、そうか。

「カウは今、ひとり…?」

カウはアキラの問いかけにぴたりと動きを止めてちょこんと首をかしげた。

「おいで…?俺がカウのこと綺麗にしてあげる」

夢見心地で去っていくこの城の主の美しい情人と、四つん這いでその後ろについていく怪しい服装の少年。
現実とはよほどかけ離れた光景に兵士たちはしばらく目を離せなかった。

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