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唇のあわいからあなたへ甘い毒を注ぐ。幾度も、幾度も。
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キリ番は500単位で受付中です。
お礼SSを書かせていただいてます。
踏まれた方はコメントか拍手でご一報くださいね。
シチュエーションなどリクエストいただけると助かります~。



ぱちぱち

プロフィール

HN:
coffin
性別:
女性
自己紹介:
無類のシキアキスト。
次点でリンアキ、グンアキ。
そしてわりと好きなカウアキ。
なんにせよアキラは受けです。

あの可愛いさは反則…!
*************
リンクフリーです。
バナーはお持ち帰りくださいね。


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南様からのリクエストで「狂気、エロ、依存のシキアキでいちゃいちゃ」でした。
ほとんどリクエストに添えていないような…すみません~;
やたら長くなって書けば書くほど焦りが募りました…!やー、びっくりした。
ということでちょっと長めのお話になってます~。(そうでもないかな…?)

南様のみお持ち帰り可となっております!

リクエストありがとうございました!!

*********
*Fictitious  Paradise*


照明をすべて落とされた部屋が、大きくとられた窓から惜しみなく降り注ぐ月光によってぽぅっと淡く輝いている。
ベッドの上のアキラをも照らす柔らかな光が柄にもなく幻想的にも見えて、部屋に入ったシキは照明をつけるのを少し躊躇った。
ほんの僅かな逡巡。
静かな室内に揺らいでいた、よく知る気配がそっとこちらを向いたのがわかる。
僅かな衣擦れの音がして、すぐにやむ。
結局シキの手はスイッチを入れることなく下におろされ、代わりとばかりにその足で床の死体を蹴って脇へと転がした。
毛足の長い絨毯に埋もれるように一人の男の死体。
おかえり、と微笑むアキラにはまるで見えていないかのようだ。
もっとも、シキにとっても男の死などどうでもよいことだが。


「今日は何の遊びだ?」

部屋に充満する血臭に動じもせずにシキはアキラに近づく。
コツ、コツというアキラが聞けばすぐにそれとわかるシキのブーツの音も、絨毯に吸い取られてまるで音を立てない。
静かな室内。

「俺のこと、城の外に連れ出そうとした。あいつ…俺をシキから自由にしてやるって言ってた…俺はシキのものなのに。無理やり連れて行かれそうだったから…だから、殺した。」

そう言ってアキラは乾燥した血のこびりついたナイフをひらりとかざしてみせる。
輝きを失ったナイフをアキラがその手で弄んで、最後に床にポトリ、と落とす。
ナイフは絨毯に垂直に落ちた後に鈍い音を立てて倒れた。
シキはアキラが誰かを殺した、ということよりもまだナイフを扱うだけの筋力があったことにわずかばかり目を見開いて驚きをあらわした。
もうアキラはすっかりと戦闘行為から離れて久しいからだ。
あの反抗的な目だってとうの昔に失われてしまった。
それともただ単に男が隙を見せていただけかもしれない。
当然、アキラがナイフを使えることなど知らなかっただろうから。

「…楽しかったか?」

にやりと嗤ったシキの指先がアキラの頬をするりと撫でればうっとりとアキラが目を瞑り、ぜんぜん、と呟く。

「シキの血と違って、なんだか気持ち悪くなるんだ。頭がぼぅっとするし、体は熱くなる」
「…」

シーツをするりと頭からかぶって、ふふふ、とアキラが笑う。
その体にもところどころ返り血を浴びていて、シャツや肌が酸化した血で茶色に染まっていた。

シキは無言でその頬からうなじへ辿り、悪戯にアキラに触れる。

(確かに少し体温が高いな…。血にあてられたか?)

「…気持ち悪いんだ…シキの血はあんなに甘くて、あんなにいい匂いなのに」

不思議だね、と笑ってアキラがベッドに倒れこむ。
シキの血が混ざってるはずなのに、という呟きにシキは喉を鳴らして小さく嗤った。
骸となって横たわる男はごくごく薄いラインを服用していた。
けれどそれは珍しいことではない。
絶命した男だけではなくこの城で働く者の殆どがシキの血を何十分の一かに薄めたラインを使用しているのだ。シキは己の血を上手く利用して、兵士達を統率していた。
それをわかっていながら、アキラが己の血で男を殺さなかったのは、ひとえに傷を作るとシキが怒るからだった。
そろりと産毛を撫でるような仕草のシキの手が動きを止め、アキラはひくりと体を震わせる。

「シキ…」

熱っぽく潤んだ瞳を見てもシキの表情は動かない。

「その汚れた体を何とかするんだな」

耐え切れずにアキラが呼んでもシキはそれきりベッドを離れてしまう。

「ねぇ、シキ。いっしょにお風呂はいろ」

誘うような声音に(まさしく誘っているのだ)もシキがアキラのほうを向くことはない。

「一人で入れ」
「…」

一蹴され、それ以上シキがとりあってくれないことがわかると、つまらなそうにアキラはシャツを脱ぎ捨てて浴室へとふらりと足を運んだ。


「目障りだ。はやく始末しろ」

シキはアキラが浴室へ消えたのを確認し、辺りにいる兵士を呼んで部屋を片付けさせる。

「まったく世話の焼ける…」

けれどその表情は決して呆れなどではなく、苦笑のような笑みさえ浮かべたものだった。
すっかりと部屋が綺麗になると、小さく吐息を漏らして、シキはいつまでたっても浴室から出てこないアキラのもとへ向かった。


「ぁ…やっぱり来てくれた」

アキラがくすり、と笑って、泡だらけの体で扉に向き直る。

「いつまでやっている。一人じゃまともに風呂も入れないのか?」

それには応えずにただ笑うアキラは、わざとゆっくり体を洗い、シキが来るのを待っていたのだ。
遊びの名残なのか、体や床は大量の泡にまみれていた。

「…シキがいっしょに入ってくれないからだよ」

ね、と無邪気に笑うアキラの頭上からシキは無言のまま遠慮なくシャワーを浴びせ泡を綺麗に洗いながす。
されるがままにアキラは満足そうに瞳を閉じ、その口元の笑みを一層深くした。

「ねぇ、シキ…」

バスタオルに包まれながらも細い両腕を主のほうに伸ばし、アキラが主へとその身を寄せる。

「抱っこ…して?」

蜜のように甘い囁きはその願いがかなえられることを知っているからだ。

「お前は甘えることばかり上手くなるな?」

ふふ、と微笑むばかりでアキラは答えを返さない。
シキは僅かに口元を緩ませるとまだずいぶんと濡れそぼった体など厭いもせずに軽々とアキラを抱き上げて部屋に戻った。
いつの間にか死体は片付けられ、シーツはぱりっと糊のきいた清潔なものに取り替えられた部屋にアキラは特に関心も抱かない。
ほんの少し前にはそのシーツも血で汚れていたことなど、忘れているかのようだ。
ベッドの上にぽす、と放られてもアキラは楽しそうにただ笑う。

「シキ…きれい」

さしこんだ月光が、その作り物めいた美しい顔をちょうど照らし、アキラはうっとりと呟いた。
そっとアキラの指がシキの輪郭を辿る。

「…」

その言葉に怪訝そうに眉を寄せるシキは、己の容姿になど大して執着も興味もないが、アキラはシキの黒い髪も紅い瞳も好きだった。
烏の濡れ羽のような漆黒の髪と服は白い肌と紅い瞳をより際立たせる。
(シキは黒が似合う…)
ふわ、と笑い、直後シキから与えられた口付けにアキラは喜びで微かにふるりと震えた。


「アキラ」
「んぁ…し…きぃ…っ」

耳元で囁かれる声にアキラがピクリピクリと体を揺らし、一層シキはアキラを激しく抱く。
アキラが突き上げられ、揺さぶられ、啼く。
シキはこれ以上アキラから何を奪おうというのか。
ただ一片の理性ですら残させまいとするかのようにアキラが喘ぐのに任せる。

「シキ…シキ…シ…キ…ッ」

それしか言葉を知らない幼子のようにアキラはただその名を繰り返すだけだ。

「ん…ぁ……ふぁ……んっ!!」

途中で一瞬アキラの声のトーンが跳ね上がった。
シキの手にいつの間にか握られていた細いスティレットがアキラの胸の皮膚にぷつりと食い込んでいたからだ。
傷の残らぬ程度に加減されていることが分かっていても肌を滑っていく冷たい感触はすぐに、かぁっと熱さを伴う。
痛みよりも先に駆け巡る快感。
心臓に近い場所に刃物が当てられる、本能的な恐怖もすべてシキの手にかかればアキラにとって悦楽へと姿を変える。
その滑らかな肌にみるみるうちに紅い血が滲んでいく。
そこをシキが丹念に舐めとり、柔らかい皮膚の傷口を舌の先端でつついた。
わざとぴちゃりと音を立てて舐めとればそのたびにアキラの背は緩やかに反って、シーツから浮き上がる。

「俺の…血…舐め、てもへ…ぃきな…っの…シキだけだ…ね…」

荒い息の合間で楽しそうにアキラが呟いてシキの手からそっとスティレットを奪う。

「ね…シキの…も…ちょ…だい」

そう言うなり主の指先に僅かに切っ先を埋め込んで、後は用無しだといわんばかりにスティレットを放り投げ
る。
紅い、瞳と同じ色の血がシキの指先を染める。
それを少し見つめてからアキラが嬉しそうに口に含めばシキが苦笑をこぼした。

「俺に刃を向けて生きていられるのはお前だけだな」

アキラは口腔内に錆びた味が広がると同時にどうしようもないほどの恍惚感に見舞われる。
ふぅ、っと熱い息を漏らしながら丁寧に舌を這わせて、指の形を確かめるかのように辿っていく。
骨ばった関節、整った爪。

「まったく…血ですら興奮するのか、お前は」

アキラの肌はだんだんと淡く染まり、シキをも淫蕩へと誘う。
アキラにとってはシキのものであれば血ですら催淫剤になるのだ。
それぞれの体を流れるニコルと非ニコルが互いを感じてざわめきあう、ぴりぴりとした刺激がアキラは好きだった。

「シキは違うの…?」

艶やかに笑いながらアキラがちゅっ、と音を立てて指先に口付けた。

「さぁな」

シキもアキラもその答えがNOではないことを知っている。

「ねぇ……ひぁっ」

それでも返答を促すアキラをシキが無言で軽く揺する。
まるで幼子をあやすかのように優しく、甘い刺激にアキラは小さな悲鳴と喘ぎとを漏らす。
己の中のシキをしっかりと感じながらアキラは思考が溶けるほどの快楽に身を任せればもう応えなどどうでもよくなっていく。

(だって、わかりきってる)

ふわりと笑んでアキラはシキの背に手を回す。
ココロもカラダも全部。
シキとアキラはつながっている。
血ですらも相手を求めてやまない。


「ね…シキ……もっと」

 

これは愛ではなくて、渇望だ。
決して満たされることのない、乾き。
だからこそ絶え間なく魂で呼び合って、血を与え合う。

 

 

ここは彼らの楽園なのだ。

誰も立ち入れない、禁忌の園。


********
つづきであとがきとかメッセージとか。

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