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唇のあわいからあなたへ甘い毒を注ぐ。幾度も、幾度も。
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ぱちぱち

プロフィール

HN:
coffin
性別:
女性
自己紹介:
無類のシキアキスト。
次点でリンアキ、グンアキ。
そしてわりと好きなカウアキ。
なんにせよアキラは受けです。

あの可愛いさは反則…!
*************
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久しぶりのafterglowです~。
拍手でも続き読みたいですとのお声が一番多かったです。
途中ですしね…orz

内容的にはあまり進んでないですが…あと2、3話で終わらせたい…です。

拍手のお返事とそれからあとがきはまた後ほど日付が変わる前後に追記しますね。(つづき:↓0時20分追記


**********
*afterglow-05*


アキラは目を覚まして…そして城の中にシキの気配が感じられないことがわかるとシーツを手繰り寄せてその中に埋もれるようにして目を閉じた。

いつものようにワゴンに乗って運ばれてきた朝食も一瞥しただけでベッドから動こうとはしない。
昼前になってリンがやってくるとようやくその体をベッドから気だるげに起こした。

「アキラ…おはよう。一緒にお昼…食べようか」

「昼…?」

「そうだよ。今日はサンドイッチみたい」

朝食ののったままのワゴンを綺麗に片付けて給仕に下げさせる。
ベッドの端に腰掛けてアキラの隣でリンは少しだけ軍服をくつろげた。

「ねぇ…リン」

「なに?」

「…昨日も…シキの夢…見たんだ」

「……そう」

夢の中でシキは抱いてくれるのに…とアキラはそう言ったきり黙ってしまう。
リンが"シキ"としてアキラを抱く、その深夜の情交はアキラの中では"夢"としてとらえられているらしかった。

アキラが眠りに落ちた後リンはその体をくまなく清めていたせいもあるだろう。
意識の朦朧とした中でアキラは"シキ"に抱かれていたし、目が覚めればシキは城に居らず、リンに"シキはまだ遠征だ"と言われればそれも仕方のないことかもしれない。

「シキは…まだ帰ってこないの?」

「うん。…まだみたい。少し長引いてるね」

心配?とリンがたずねてもアキラは緩く首を振るだけで。

大丈夫だよ、とリンはそっとアキラの肩を抱いた。

************

ファインダー越しに窓辺のアキラを見つめる。
珍しく晴れた日の昼下がり、日差しの降り注ぐ窓辺に座ってアキラはぼんやりと外を見ていた。
抜けるような白い肌と白いシャツ、それから白くて薄いカーテンが時折アキラの頬を撫でていく。
このまま溶けて消えてしまうんじゃないかと、そう錯覚するほどにその存在感は透明で希薄だ。
瞬きをした瞬間に消えてしまうという錯覚にとらわれているかのようにリンはじっとアキラを見ていた。

そのままリンは幾度かシャッターを切ってそっとカメラをベッド脇のサイドテーブルに置いた。
シャッター音を気にすることもなくアキラはリンのほうを一度も見ることはなかった。
ことり、と音を立てて置かれたそれを一度撫でて小さく息を吐く。

リンがベッドに腰掛けたままアキラの名前を小さく呼んでもアキラは振り返らなかった。
ただどこかに視線をやったまま呼吸だけを繰り返す。
このような状態が続いてもうどれくらいになるのだろうか。

一瞬リンは切なげに眉を寄せてアキラに近寄った。

「…アキラ」

そっと囁いてアキラの肩に手を置けばやっとぴくりとアキラの体が反応する。
ゆっくりとリンの瞳を見つめたアキラの瞳がやっと収束する。

「リン…」

「うん…寒くない?大丈夫?」

ゆっくりとアキラの肩をさすって微笑めばアキラは小さく頷いた。

「リン…」

「なぁに、アキラ」

「なんでもない…」

アキラは体をしなだれるようにしてリンに抱きついた。
折れそうなほど細い腕がゆるりとリンの首に絡む。
緩やかに呼吸するアキラの体をリンはそっと抱きしめてゆっくり背中を撫でてやる。
リンの首筋に頬を寄せてアキラは大きく息を吐いた。

「眠くない?」

「へーき……ねぇ…リンは今日はずっとここにいるの?」

「夕飯まではいるよ。それからはもう少し仕事が残ってるから」

ごめんね、とリンはアキラの髪を梳く。
未だシキの足取りはつかめない。
消息が途絶えてからもうそろそろ半年になる。

城の中は相変わらずシキの施した命令系統通りに機能し、それをリンが束ねるという形を保ったままだ。
今までのシキの遠征中となんら変わらない。
にもかかわらずやはり事情を知る上層部の幹部たちもだんだんと焦りや困惑を隠せないせいか少しずつではあるが城の中の空気は徐々に歪んできているような気もして。
リンの仕事もそうして少しずつ増えてきている。
決定を下さなければならない事項が日々嵩み、リンもどうしていいのか、これがいつまで続くのかわからなかった。
ただシキは生きているという妙な確信だけは揺らぐことはなく、日に日に生気を失っていくようなアキラを支え、励ますことだけが今の自分にできる最善だとそう言い聞かせてきた。

「お風呂…入ろうか」

風呂に入ってる間だけはアキラも少しではあるがリラックスしているようで。
リンはよくアキラを風呂に入れてやっていた。

「リンも…入ってくれる?」

こうやって誘われるのは稀だが。

「いいよ。一緒に入ろうか」

そのまま目の前の軽い体を抱き上げてリンは浴室へと歩を薦めた。


**********

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