いつだってアキラはシキを待ってるんです。
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*CURE*
雨、雨、雨。
ずーっと降り続けてる。
それで、俺は体がだるくて、頭が痛い。
朝からカウに抱きついたままベッドから動いていない。
シキは夜中出に出て行っちゃってまだ帰ってこないし。
城にはちゃんといるんだって、わかるけど、やっぱりシキが傍にいないと嫌だ。
カウは心配してくれてるのか鼻先で俺の髪とか、頬とかに触れてきて。
それが少し心地よくて、俺よりずっと体温の高い体をぎゅっ、てする。
「かーう。ずぅっと…あたまいたいんだ…あめは嫌いだよ」
ちらちらと脳裏を横切る青いモノ。
それが何なのかはよくわからなかったけど、思い出そうとすればするほどその輪郭はぼやけていくみたいに、すぅっと消えてしまう。
つきん、つきん、と鼓動と同じリズムで頭痛がする。
眠って誤魔化してしまいたかったけどそれもできない。
「カウはあったかいね」
カウはシキの言いつけどおりちゃんと服を着ていたけど、それでも俺よりもあったかいってすぐにわかる。
くん、と鼻を鳴らしてカウが俺の顔を舐めていく。
これがカウの慰め方って最近分かってきた。
カウはしゃべらないから、いい。
俺の呟きを黙って聞いてくれて、絶対に誰にもそれを漏らす事は無いし。
言葉で侍女や見張りたちや医者に「大丈夫ですか?」なんて聞かれるよりもカウがその頬を摺り寄せてくれる方がずっと慰められた。
「シキ…」
頭の痛みで一晩眠れなかっただけですごく疲れてしまって、やっと痛みに負けないくらいの睡魔が襲ってくる。
「シキ…」
もう一度名前を呼んで、俺は緩やかに眠りに落ちる。
まっくらな夢の中へ。
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あとがき、拍手お礼は続きからー。