久々のシキアキ+カウ。
ほのぼの、ゆったりした感じを出せるようになりたい…な。
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*petal shower*
シキは仕事中でなんだか難しい話をしてる。
俺にはよくわからないからつまらない。
シキのいない部屋で、そのベッドの上でつまんない、って呟く。
どうしたのって聞いてるみたいな顔をしてカウが俺の隣にちょん、って座る。
よしよし、って撫でてあげるとカウがにっこりしてぺろ、って俺を舐めた。
「つまんないね…?」
だからカウとおさんぽしよう。
ゆっくりベッドから降りてシャツを羽織る。
適当にボタンを留めて小さく伸びをした。
ベッドに座ったままだったカウに"おいで"って言うとぴくん、って反応して俺についてくる。
カウはいいこ。
俺の言うこと、ちゃんとわかってる。
ぺた、ぺた、って歩く俺のすぐ横にカウが並んで二人でゆっくり進む。
シキと一緒だと俺はシキに追いつけなくていつもちょっと小走り。
シキの腕とかコートとか掴んで一生懸命ついていく。
そうじゃないときはシキが抱き上げてくれる。
だから俺の隣を歩くのはカウくらいなんだ。
「中庭…いこ?」
誰も、俺達に声、かけないんだ。
シキが城にいるときはシキが怖いから、みんな俺と目をあわさない。
俺と"遊んだら"殺されちゃうから。
重たいドアを開けたらもうそこが俺の遊び場。
シキが俺のために作ってくれた…庭。
はしゃいだカウが芝生にごろんって寝転がるのを俺も真似する。
葉っぱと、土と花の匂い。
風が少し吹いてて、代わり映えしない曇り空。
芝生を体にくっつけてカウが俺に抱きついてくる。
カウの胸のピアスがくすぐったくて俺はくすくす笑った。
俺が笑うとカウはなんでか嬉しいみたい。
カウもにこって笑って、もっとぎゅってしてくる。
しっぽがあったらぱたぱた振ってるんだろうなって俺はいっつも思うんだ。
手をのばして近くにある黄色の花をくしゃって握ると花びらがぱらぱらって落ちる。
きれい(シキの眼みたいな赤だったらもっときれいなのにね)。
ひらひら花びらが散って、強くなる蜜の匂いにカウがくん、って鼻を鳴らす。
落ちた花びらを俺が掬ってカウの上に散らす。
カウがくしゅ、ってくしゃみしたのが面白くて俺はまた笑う。
俺は何度も花を握ってカウの上に散らした。
黄色の花びらが何度も、何度も俺とカウに降ってくる。
ひらひら。
ふわふわ。
花びらがいっぱい散った中でだんだん眠くなって、うとうとしてた。
気づいたら俺の頬を舐めてたカウの気配がいつの間にかなくて。
うっすら眼を開けてもやっぱりカウはいない。
代わりに近づいてくる、気配。
カウがいなくなる理由は一つだけ。
まだ足音は聞こえない。
「・・・はやく」
たくさん地面に散った黄色い花びら。
もう一度掬い上げて俺は笑う。
「はやく…来て」
ぱらぱらと降らせたはずの花びらは風にさらわれて俺に落ちてはこなかった。
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以下追記です~。
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