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唇のあわいからあなたへ甘い毒を注ぐ。幾度も、幾度も。
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ぱちぱち

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HN:
coffin
性別:
女性
自己紹介:
無類のシキアキスト。
次点でリンアキ、グンアキ。
そしてわりと好きなカウアキ。
なんにせよアキラは受けです。

あの可愛いさは反則…!
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ひさしぶりのED1です。
シキ目覚めてます~。

***************

*swords*


「アキラ」

寝室から不本意そうに自分を呼ぶ声にアキラは朝食の用意をしていた手を休める。

声の主のところに行けばシーツは乱れ、クッションはベッドの上で散らかり、彼の"挑戦"の跡が見て取れる。

「おはよう、シキ」
「…あぁ」

アキラはシキの背に腕を回して、ゆっくりとその体を起こしてやる。

"おはよう"

どんなにこの言葉が言いたかったなんて、きっとシキには分からないんだろう、とアキラは小さく笑った。

"目覚めた"ばかりのシキは動かさなかったせいで全身の筋肉が衰えており、未だ車椅子で生活をしている。
そんな己を嘲るでもなくシキはただ淡々と受け入れているようにアキラは思う。

ただ、やはり一刻も早く歩き、刀を扱いたいというのがシキの正直な願いであるのだろう。
事あるごとに独りで起き上がったり、歩くために筋肉を付け直そうとしていることもアキラは知っていた。

もっとも、アキラにしてみればもう少しこのまま自分が世話を焼いていたいというのもまた偽らざる本音なのだ。
どうせ歩けるようになればこうして自分を呼んでくれることもなくなるのだと、分かっていたから。
矜持の高いシキがいつまでもこの状態に甘んじていることないと、分かっていたから尚更だった。

「よく眠れたか?」
「まぁな」

シキは最近少しずつ睡眠時間が減ってきていた。
というよりはもとの調子に戻りつつあるのだろう。

目覚めてからしばらくはシキは半日ほど眠る生活を送り、それが徐々に減ってきて今では9時間程度だ。

「悪い夢、見なかったか?」
「あぁ。…そんなことより」

「わかってるよ」

ベッドの端まで車椅子を寄せてアキラはシキが車椅子に乗りやすいようにしてやった。

腕の力でなんとか車椅子に乗り、シキは小さく息をついた。

「朝飯できてるよ。コーヒーも淹れた」

ゆるゆると車椅子を前進させるシキを背後に感じながらアキラはシキにコーヒーを注いでやる。
最近は追っ手に遭遇することもほとんどなくなり、割合平穏な日々をすごしている。

一緒に朝食をとること、たまには二人で外に散歩に行くこと。
そんなことが夢みたいで、アキラは時々怖くなる。
シキが"眠って"いるとき、もう目覚めないんじゃないかと思ったのは一度や二度ではない。
それでも朝になればシキは必ず目を覚ました。

それが…ほんとうに幸せだった。


「シキが歩けるようになったら、あれ…返さないとな」

アキラが目線で指し示したのはシキの日本刀だ。
シキが目覚めたとき、真っ先にアキラはそれを帰そうとしたのだが、当のシキ本人に断られたのだった。
まだ、持っていろ、と。
アキラはシキが歩けるようになったときには返そうと、心に決めていた。

「そうだな。お前には長すぎて持て余しているように見える」

トーストに綺麗にバターを塗ってシキがふん、と笑った。

「シキの身長が規格外だからだよ」

己とシキを守ってきた日本刀は鍛錬の成果か、しっくりと手になじむまでになった。
それを手放すのを別に惜しいとは思わなかった。
元の持ち主に。
持つにふさわしい人間が使えばいい。

「だから今度はお前の身長に会った刀を作らせればいい」

スープを飲みながらなんてことないようにシキが放った一言にアキラはきょとん、とした。

「…あぁ、そうだな」

今度は二人で歩いていけばいいのだと。

そう許されている気がして。

訝しげに自分を見る真紅の瞳を感じながら、アキラは今度こそくすくすと声をあげて笑った。

**************
あとがきは続きにて。

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