拍手を押してくださった方ありがとうございます~。
つたない文章サイトですが読んで下さっている方がいるとわかるだけでとても励みになります。
今回は…"淫靡"アキラ、ですかね。
そうでもないか。
リンの微妙な葛藤をどう書こうか悩む割には話はあまり進んでいない気がします。
もうちょっともうちょっと。
どんなに小分けにして書いていっても、通し番号が2桁行くまでには何とかしたいなぁ~、と思います。
************
*afterglow-03*
「ぁ…んぁ……シキ…っ」
宙を掻いたアキラの手をとってリンはその手のひらに口付けた。
そのまま己の首へと絡ませる。
「…気持ちいい?」
「んん…も…っとぉ…して…」
ねだるようにアキラの腰が甘くゆれる。
リンはそっとアキラの屹立したものを撫でた。
アキラは自分のことなど…見ていないのだとリンは知っている。
髪だけでなく瞳の色さえ違うけれどアキラはリンの中にシキを重ねているのだ。
いや、それとも、もうアキラはシキを見ているのだろうか。
「アキラ…いい子だね…もっと啼いて…?」
囁いて、アキラをあやす様に揺する。
「んふぁ……ぃ…い……ぁ…ぁん」
耳朶を優しく舐めればアキラが泣きそうに喘ぐ。
「し…き……っ」
こうやってアキラがシキの名前を呼ぶたびにリンはとても深い谷間をのぞいたように心がすっと冷えていくのを感じる。
シキの代わりなどにはなれないのだと、わかっていた。
それでもアキラが望むなら。
リンはいくらこの胸がえぐれるように痛もうと、シキになってみせるのだ。
************
シキは2ヶ月がたとうしても帰ってこなかった。
もちろんたまに入ってくる連絡によっておおよその状況は把握していたがそれよりも心配なのはアキラのほうだった。
アキラはシキがどこで何をしているかが問題なのではなく、シキがここにいないことが問題なのだ。
リンが何度も何度も薦めるおかげで食事はそこそこにきちんと取っているが、明らかに意識を漂わせている時間が増えた。
ふわふわと頼りなさげに宙を見つめ、時折思い出しだように小さく泣いて、昼のうちに風呂に入る。
「シキ…帰ってこないね」
「…そうだね。でも大丈夫だよ。シキはちょっと遠征が長引いてるだけだから」
「うん…。前も1週間って言って1ヶ月帰ってこないとき…あったから…へいき…だよ」
平気だよ、とアキラはリンの袖を握り締めた。
そのままリンはアキラをそっと抱きしめてなだめるように背を撫でてやった。
アキラのその小さな体が震えていることに気づいていた。
ちょうど3ヶ月目に入ったときだ。
シキの部隊からの連絡は途絶えたのは。
必死に足取りを追ったがシキの行方はつかめなかった。
アキラの耳に決してその情報が入らないようにリンは細心の注意を払った。
最低限の兵たち、つまり幹部たちにのみそれを知らせ末端までには決して情報を流さないようにしたのだ。
シキを追い、成果のない苛立ちをもやもやと胸の中に堆積させながらいつものようにリンはアキラの部屋を訪れた。
…アキラはベッドの上で自慰に耽っていた。
艶かしく吐息を漏らして、拙い指使いで己を慰める様はひどく扇情的で美しかった。
時折シキ、と名前を呼んでシーツがその体に絡みつく。
その媚態から目が離せなかった。
「アキラ…」
リンは音を立てぬようにそっと近寄る。
囁かれたその瞬間にピクリとアキラの体がはねてアキラは達した。
白い肌に更に白い飛沫が飛ぶ。
「…リ……ン…?」
浅い呼吸のまま、ぼうっとした声で呟くアキラの目を掌で覆う。
リンには自分がいかに情けない顔をしているかよくわかっていた。
そんな顔を見られたくはなかった。
「……リン…?」
シキがすべてのアキラに何がいえただろう。
その時のリンにできることといえばアキラを抱きしめることくらいだ。
隙間のないほど密着すればリンの乱れのない服にアキラの白い熱情が移る。
「…アキラ……」
抑えようのない感情の奔流に飲み込まれてしまいそうだった。
アキラの視界を奪ったままリンはきつくアキラを抱きしめる。
アキラの細い腕がそっとリンの背中にまわされた。
[0回]
PR