*HONEY*
指先から滴る甘い蜂蜜。
きらきらしてて、きれい。
金色の、蜂蜜。
掬って、舐める。
あまい、あまい蜜。
こぼれた蜂蜜がとろり、と胸をつたって腿まで届いた。
ひやりとして、小さく震える。
くるくると指先で肌に塗り広げたら意外と気持ちがよくって、俺は小さく笑う。
水とは違う粘度。
ゆっくりゆっくり肌をつたっていく。
「ぁ…」
そうだ。
「シキは甘いのはきらいなんだった…」
蜂蜜なんかで遊んでたら怒られちゃうかな。
気づいたら俺の体はもうべとべとしてる。
シキの眉間にしわがよるのを想像してまた俺は笑う。
唇を薬指でそっとなぞる。
そうして舌先で唇をたどる。
「…あまい」
とろけるように蜂蜜は舌の上で消えた。
しつこすぎない甘さが口の中にわずかに残った。
ふふ、って笑って俺はシキの帰りを待ってる。
待ってる。
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あとがきは続きから