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唇のあわいからあなたへ甘い毒を注ぐ。幾度も、幾度も。
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キリ番は500単位で受付中です。
お礼SSを書かせていただいてます。
踏まれた方はコメントか拍手でご一報くださいね。
シチュエーションなどリクエストいただけると助かります~。



ぱちぱち

プロフィール

HN:
coffin
性別:
女性
自己紹介:
無類のシキアキスト。
次点でリンアキ、グンアキ。
そしてわりと好きなカウアキ。
なんにせよアキラは受けです。

あの可愛いさは反則…!
*************
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書いたままだったものを発掘!

シキがいないとアキラは眠れない…とか。
たぶんそれだけを思いついて書き始めた気がします。



**********

*good night*

ソファに腰掛けたまま扉をノックする音に「入れ」と命じる。
俺は一週間ほどの視察から今日帰ってきたばかりだったため部屋で書類を片付けていた。
その未決裁の書類に目を通しながら、片手間にグラスへとウイスキーを注ぐ。
琥珀色の液体が芳醇な香りを漂わせた。
アキラは先ほどから俺の膝に頭を乗せたまま心地よさそうにおとなしくしている。


「失礼いたします」

入ってきたのは意外なことにアキラの食事係の男だった。
その手に持っているのは繊細な模様の描かれた美しいティーカップ。
ふわりと湯気を立てるそれは…。

「…なんだこれは」

「はい、ここ何日かアキラ様が夜中に寝付けない、と仰っていまして。…最近はお休みになられる前にこうしてホットミルクをお出ししています」

寝付けない、か。
珍しいこともあるものだ。
普通なら寝酒なのだろうが…アキラは酒は飲めないからな。

サイドテーブルにカップを置かせて男を下がらせる。

漂ってくるのはミルク独特の甘い香り。

「子供だな」

ふ、と笑ってアキラの髪を撫でてやる。
笑われたことにか、それとも"子供"に反応したのかアキラがわずかにむくれて体を起こす。

「…いいの。だってそれ飲んだらよく眠れる」
「お前が眠れないのは昼間まで寝ているせいだろう?」

アキラは望むときに起床し、望むときに就寝するのだから眠れないということなどあるはずがない。
アキラが眠いと感じたときが就寝時間なのだ。

「…違うよ…ちゃんと朝におきるよ」
「ではなぜだ?」
「………シキがいないから俺はすごくたいくつで、だからはやく寝たいのに、シキがいないからシーツが冷たくて…一人のベッドは嫌いだから…寝ればわかんないのに…なのに寝れない」

文などにはなっていない、ただ思いついたことをそのまま言葉にしていくアキラの顔がだんだんとうつむく。
その頤を掴んであげさせ、瞳を覗く。
少しばかりまた笑い、アキラに口付ける。
どこまで可愛いことを言うのだろうか。
本当に、飽きない。

「んぁ…」

名残惜しそうなアキラの声を聞いて、それでも俺は口づけをやめる。

「シキ…お酒の味がした」
「お前にはまだ早いか?」

苦い、と眉をしかめるアキラが俺の膝の上に座る。
俺はずっと片手に持っていた書類をサイドテーブルへと置いた。
いまだ柔らかな香りのするティーカップにウイスキーをティースプーン一杯ほど落とす。
ミルクの色がわずかに変わり、アキラが不思議そうにそれを見ているのが分かった。

「飲め」
「いい…シキがいるから、それ、いらないんだ」

弱く首を振って身を寄せるアキラにそれでもカップを差し出した。

「アキラ」

二度、名を呼ぶとアキラの腕が伸ばされて、カップを受け取った。
こくりと喉が動いて飲み始めたことが分かると俺もまたグラスに注いだままのウイスキーを口に含む。
そうしてまた書類に目を通す。
しばらくしてからアキラがすべて飲み終えたのか、カップをテーブルへと戻した。

「シキ…なんか熱い」

体が温まって眠気が襲ってきたのか、既に声に力はない。

「本当に酒に弱いんだな」
「…」

たったのティースプーン一杯だ。
それでもアキラはほのかな薔薇色に染まっていた。

「先にベッドに入っていろ」

緩く首を振って膝の上から退く気配を見せぬアキラを好きにさせておく。
書類が片付けばもう仕事も終わりだ。
アキラと問答をするよりもこのままのほうが大人しい。

 

最後の書類をテーブルへと放って、グラスに残っていたウイスキーを飲み干す。

「アキラ」

声をかけても反応がなく、ただ規則的な寝息が聞こえるだけだ。
軽く息を吐く。
やはりな。

予想以上に温かな体を抱きかかえて、ベッドへ運ぶ。

「眠れない、だと?」

熟睡しているではないか。
(シキがいないからシーツが冷たくて…)
先ほどの言葉を思い出して笑う。

「少し待っていればよかったものを」

そうすればアキラとベッドに入ってやれただろうに。


目にかかる前髪を払ってやって、アキラの額に口付けた。


 

拍手[2回]

PR

しました。
なんだかシキ様の一人称に疲れたので(笑)
軽くアキラで書いてみました。

ちゃんとテーマを決めて書いたほうが書きやすいです…よね。
シキを待ってるアキラが好きです。
帰ってきた!って分かった瞬間にすごく嬉しそうな顔をするんだろうなと思うのです。


以前のお礼から一作品こちらにおろしておきますね。


**********

身体部位10のお題:そのに

********************


02 舌

ぼふ、と音を立ててベッドに沈む。
ううん、沈められた。
もちろん、シキに。

「アキラ、これはどうした?」
倒れこんですぐにシキが俺に尋ねる。
「…どれ?」
でも俺は何のことかわからなくて小さく首をかしげる。

「これだ」

そう言うや否や俺の足裏をざらりとシキが舐めた。
ぴりぴりと、なんだか違和感があって俺はん、と小さく息をつめる。
わからない。シキに触られるとどこもかしこも気持ちがよくって、まともなことなんて考えられなくなる。

「血が出ている…」

シキは俺が怪我することが気に入らないみたい。
ずっと前に、俺はシキのものだから、勝手に傷をつけてはいけないといわれた。
だから気をつけていた…つもりなんだけど。

「ごめ…ん…しき」
「で、どこで傷つけた?」
傷口を這うようにシキの舌の先っぽがつつ、とたどる。
「ん…正門前の…っ…石畳…ぁ!」

カウを見つけたとき、かな。
あの時足の裏がちょっと痛かったし…。
そういえばお風呂のときも沁みてた。(あ、カウはまだお風呂で遊んでるのかな…)
思い返せば確かに怪我をしていたことがわかるんだけど、何でかそのときはあんまり気にならない。

「何度言えばわかる、お前に傷をつけていいのは俺だけだ」
その赤い赤い瞳が俺を射抜く。
綺麗で。
大好きなシキの色。
見惚れてしまって、目が離せない。
ちらりと見える舌が別の生き物みたいに這う。
流れてる血を零さない様にしてる様な、そんな感じ。
「うん…気をつける」

体を起こしてシキにぎゅってする。
「…気をつける」
もう一度呟いて、その胸にいっそう顔を押し付けた。
とくん、とくんってシキの音。

「そうだ。気をつけろ」

うん、って返事してそのまましばらくそうしていた。

 

拍手[0回]

*HONEY*の続き。
今度はシキ視点で~。
HONEYの続きが読みたいというお声をたくさんいただきましたので書いてみました。
そういう拍手ってすごくうれしいです~。やっぱり反応が返ってくると意欲もわきますもんね!

が、終わりませんでした…というか毎日少しずつ書いていくのが大事かなっというか(毎日かけるのか…私)、まとめて時間が取れないというか。
というかというか。

タイトルは甘美な誘惑、です。

**8日追記済み。これにて完成!!**

やっと完成しました!!
一ヶ月もかかってしまいました。
少しずつ書いていくとまとまりがなくなる上に難しいということが分かりました…。

次は以前書いたやつをひとつアップして、それからキリ番に取り掛かりたいと思います。


亀のような更新にお付き合いいただきましてありがとうございましたっ!
****
*sweet temptation*

ベッドに近づけば近づくほど濃厚になる芳香。
気づかれぬよう、少し笑う。

(まったく…飽きないな)

またアキラの"遊び"なのだろう。
今日はシャツさえ纏っていない、その裸身で一日をベッドの上で過ごしたのだろうか。

アキラの持っているビン。
中身が半分以上減ったそれは蜂蜜だろう。
淡い琥珀色のそれをアキラは掬い取って意味もなくぽたりぽたりとシーツの上に落としていた。

「シキ…おかえり」

微笑みながら指を口に咥えて、いっそう笑みを深くする。

「おかえり」

ふわふわとした口調で、笑う。

「またベッドを汚したな」
「…うん…そうだね」

怒る?と小首を傾げるアキラは特に罪悪感もないのだろう。
当然俺もなんとも思っていない。
汚れたならば換えさせればいいだけのこと。

刀を壁に立てかけて、ベッドに腰掛ける。
ぎしりと軋んだスプリングにアキラが蜂蜜を弄う手を止めた。
ゆっくりとこちらに寄ってきて、そうしていつものように俺の膝の上に座る。
いたるところに蜂蜜は塗り広げられたらしく、髪についたものなど既に乾燥してしまったものもあった。
いったいいつから"遊んで"いるのだか。

「いいにおいでしょ」
「…」

甘い、香りだ。
俺は菓子に限らず普段ならば甘いものはほとんど口にしない。
それでも目の前の、蜜に濡れる唇に誘われるのはなぜなのだろうか。

アキラが俺の手をとり指を絡ませるように握る。
たっぷりと蜂蜜を纏ったアキラの手から俺にまで蜜がつたった。
その滴る蜜が俺の手を濡らし、そして床へと落ちる。
このような突発的な行動も最近はある程度まではアキラの好きにさせている。

何もいわずにただアキラのするに任せる。
アキラは微笑みながら何が面白いのか俺の手をしばらく触った後に咥えた。
人差し指が温かい口腔内にさしいれられる感覚とざらりとした舌の感触。
時折根元から爪先までを舌でたどり、吸い上げるように口に含む。
否応なくそれは口淫を連想させて俺は笑う。

「…シキ、どうしたの?」

それには答えずに蜜のすっかりなくなった指でアキラの頬をたどる。
短く整えた爪の先だけでそっと撫でていけばじれったそうにアキラが身をよじった。
「…ん…」
背骨を数えるように指を滑らせる。
アキラは相変わらず口元に笑みを浮かべたままだ。
ただしその吐息には少しずつ熱が灯り始めて、たしかな温度を俺に伝えていた。

「し、き…」
口付けをせがむように身を寄せてくるアキラの体を無言で押し返す。
既にレザーはアキラから滴った蜜でつやつやと光って、アキラが動けばとろりと糸をひいて細く伸びた。

望んだものが与えらず、不服そうに僅かに眉を寄せるがすぐにアキラは俺の首筋に舌を這わせた。
動脈を辿るように耳の後ろから徐々にアキラの唇が降下してくる。
俺は手を伸ばして緩やかに髪を梳いてやる。
時折、髪と蜜が絡まりはしたが、ただ気持ちがよさそうにアキラは笑った。
アキラはその間にも空いた手でどうやら俺の服を脱がせようとしているらしく、細い指先が服の裾を探し当てて、ゆるゆると持ち上げ始める。
腹あたりまで捲くられたきり、それ以上裾が上がりはしなかったが。

結局その手はかちゃかちゃと音を立てながらベルトへと伸ばされて、不器用にレザーパンツの前を寛げていく。

腹筋の上をアキラの指が滑る。
その後、アキラは膝から床へと降りて俺の腹からその下へと唇を寄せた。

アキラの口腔はひどく熱く、舌が蠢く度に俺も熱を持ちはじめた。
懸命に、そして夢中に奉仕するアキラの姿はいつ見ても飽きない。
昔は俺の前で膝を突くことでさえ屈辱的だという顔をしていた。
それが今では自ら悦楽を求め、淫らに俺を誘う。
恥じらいなど捨て去った、今のアキラが一番美しい。

「咥えただけで感じたのか?」
靴の先で緩やかにたちあがったアキラを擦りあげた。
「ん…ぁ…ゃ」
アキラの腕をつかんで再び膝の上に引き上げる。
「…俺、じょうずにできなかった?」
途中でやめさせられたのが不満なのかそれとも不安なのか、少し荒い息で訊ねてくるアキラの後孔に指を差し入れる。
「さぁな」
「…ぁ…っ」
指先が白むほど俺の服をつかんで、アキラの体がわずかに跳ねる。

蜂蜜がそこに滴っていたこともありアキラの蕾は既に綻び始めて、俺の指を苦もなく咥えこむ。
「ん…っぁ」
卑猥な水音をたてながら浅くその入り口を何度も擦る。
決して奥には触れず、ゆるゆると注挿を繰り返す。
わずかな刺激が物足りないとでもいうようにアキラの腰がゆらりと揺れ始めた。
「…どうした、アキラ」
空いた手でその顎を掬い、上向かせる。
「…いじわる…」
潤んだ瞳でわずかに苦しそうに眉を寄せてアキラがつぶやいた。
「意地悪だと…?こんなに優しい主はいないだろう?」
耳朶を甘く噛んでやるといっそうと好い声で啼いて俺を楽しませた。
指を引き抜けば嫌がるように首を振ってアキラが抱きついてくる。
それにはかまわずに転がったビンからシーツに零れていた蜂蜜を掬いとって再び後ろへと指を伸ばした。

冷たい蜜にアキラの体がふるりと震え、直後に甘い吐息へと変貌を遂げる。
「シキ…」
ねだるように俺の名前を呼んで、腕を俺の首へと絡めてきた。
俺は少しだけ笑い、指を深く突き入れる。

「ぁっ…ん…」
嬉しそうな吐息が首筋にかかり、アキラが声を上げるたびに俺は聴覚だけでなく触覚でそれを感じた。
「後ろだけでも随分と感じるようだな」
「シキのせい…だよ…?」
…確かにそうだ。
俺が時間をかけてアキラを変えたのだから。
「ぁ…ぁん…ゃ…はん…」

ある一点に触れるたびに撓る背がアキラの快感の深さを物語る。
「シキ…っ、も…ゃ…」
ぽろぽろと涙をこぼしながら喜ぶのを見てさらにアキラの内部を探っていく。
「いや…?なにがだ?」
「もう、ほし…ぃ…ちょうだい」
淫らに請い願う様は蜜に濡れていっそう扇情的だった。
「…堪え性のないやつだな?」
「だって…もぅ…」

言葉の続きを待たず指を抜く。
指が出て行くのを妨げるようにアキラの入り口はひくついて指に絡みついた。
「あぁ…っ」
泣くように喘ぐ、その声が何より俺を楽しませる。
「仕方がないな、与えてやろう」
「ほんと…?」
幼子のように小首をかしげて尋ねてくるその姿はひどく稚い。
アキラの頬を伝う涙を舐めとって、そのままの体制で屹立した己をアキラの後孔へとあてがった。

恍惚間にも似た感覚が一気に背筋を駆け抜けて、俺はわずかに息をつめる。
「し…き…っ。あつ…ぃ」
いつもとは違い、少しずつアキラの中に飲み込まれていく感覚はひどく新鮮だった。
快感が緩やかに、そして断続的にやってくる。
「…ぁ…ぁぁ…ん…っ…ゃ」
少しずつ、少しずつ埋まっていくたびにアキラの口から堪えきれない喘ぎが漏れた。


「…ふふっ、シキの…全部入った」
アキラが囁くように話し、微笑む。
「…シキ、ねぇもういいでしょ」
じっとこちらを見つめて、求めているのはくちづけだとすぐに分かる。
「…ねぇ」
ちょうだい、とそろりとアキラが俺に再び身を寄せる。
今度は押し戻すことなく俺はアキラにそれを与えてやる。
「いい子にしていたからな…いいだろう」
噛み付くように口付けて、舌を絡めて、歯列をなぞった。
鼻にかかったような声を時折漏らしてアキラがうっとりと目を瞑る。
思い出したかのように時折揺れる腰や、撓る背に口元がわずかに緩んでいくのが分かった。
蜂蜜で濡れた唇は驚くほどに甘く、柔らかだった。
唇を食んで、蜜を舐めとればひくりとアキラが跳ねる。
「んぅ…っぁ!!」
下から突き上げれば自重でアキラの中に再び飲み込まれる。
瞬間的にアキラが声を上げる。
「シキ…の、おくまで…あた、って…る…ぅ…の」
途切れ途切れに言葉を発し、堪えることなく喘ぎを漏らして縋るものを求めるように俺の服をぎゅっとつかむ。

お前はただ啼いていればいい。

そう言ったのはいつだったか。

「し……き…ぃ…ひゃ…ん…ん…ぁぅ」

喘ぎの中に混ざる俺を呼ぶ声に、満足するのはなぜなのか。

「アキラ…」

そっと耳元で囁けばアキラが一層感じることを知ったのはいつだったか。


おそらく既に力の入らないだろう細い体が、後ろに倒れそうになるのを片手で支え己へと寄りかからせる。

「なんだ、もう終わりか?」
「んぁ…っ…ん…」

ただ下から突き上げてアキラの声を聞く。
強く穿てば穿つほどにアキラは高く細い声で啼くのだ。
これはアキラが感じている証拠だと俺は知っている。

アキラの腕が背に回されて、その背が撓る。
俺は小さく笑って、アキラのその先端から溢れ出る透明なしずくを指で丹念に塗りこめてやる。
「は…ん…ぁ…っ…ゃ…っ…しき…っ…しき…」
「もっと啼け…アキラ」
最後とばかりに耳に舌を差し入れた。
「…っ…ぁ…ぁ…っっ!!」

本当に泣くような声でアキラが達し、俺もまたアキラの中へと欲望を注ぎ込む。

己を引き抜けばアキラが身震いをして小さく声を漏らす。おそらく無意識なのだろうが。

「シキ…」

眠りに落ちる直前のような意識があるのかないのかよくわからないような顔で俺の名を呼ぶ。
声を出さずに、そちらを向いて応じてやる。

「ね…キスして…?」

いまだ滴り続ける蜂蜜をまた掬いながらアキラが微笑む。
そしてこちらに伸ばされたアキラの指がそっと俺の下唇をたどった。


「キス…して?」


笑いながらゆっくり近づいてやれば、アキラが舌を伸ばして俺の唇についた蜜を舐めとった。


「あまい…ね」


アキラの"遊戯"はどうやらまだ終わらぬらしい。

 

拍手[1回]

*HONEY*

指先から滴る甘い蜂蜜。


きらきらしてて、きれい。
金色の、蜂蜜。


掬って、舐める。

あまい、あまい蜜。

こぼれた蜂蜜がとろり、と胸をつたって腿まで届いた。
ひやりとして、小さく震える。


くるくると指先で肌に塗り広げたら意外と気持ちがよくって、俺は小さく笑う。
水とは違う粘度。
ゆっくりゆっくり肌をつたっていく。

「ぁ…」

そうだ。

「シキは甘いのはきらいなんだった…」

蜂蜜なんかで遊んでたら怒られちゃうかな。

気づいたら俺の体はもうべとべとしてる。
シキの眉間にしわがよるのを想像してまた俺は笑う。

唇を薬指でそっとなぞる。
そうして舌先で唇をたどる。

 

「…あまい」


とろけるように蜂蜜は舌の上で消えた。
しつこすぎない甘さが口の中にわずかに残った。

ふふ、って笑って俺はシキの帰りを待ってる。

 

待ってる。

****************

あとがきは続きから

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身体部位10のお題:そのに

03 喉仏

 

シキはよく俺を噛む気がする。
あの鋭い犬歯が肌に食い込む瞬間はいつやられてもどきっと心臓がはねる。
そんなの気にならなくなるくらい気持ちいいんだけどさ。


「あ…あ…ぅあっ!!」

ひときわ大きな声が出たのは、ゆっくりと降下してたシキの唇が首元で止まって俺の喉仏に噛み付いたから。もちろん甘噛みだから歯は緩くたてられただけ。

「こんなことでもお前は感じるのか」

嗤いながらシキがさらに歯を立てる。
今の自分を想像して、俺はやんわりと笑みを浮かべた。
鹿の喉元に食らいつくライオンの映像をどこかでみたことがある。
それに似てる。
…ライオン?

シキは黒ヒョウとか、チーターとか。
しなやかな感じ。
ライオンじゃちょっと体が重たいよね。
黒猫、とか言ったら怒られるかな。

「んぅ…んっ」

喉元に噛み付かれたら、鹿はもう殺されちゃうんだ。
…俺もいっしょかな?

噛まれると、シキはこのまま俺のこと殺してくれるんじゃないかなって思うときがある。
それはそれでとってもきもちがよさそうなんだけど。

「…何を考えている、アキラ」

ぐん、と突かれて、しどけない喘ぎをもらして、その考えをいつもすぐ訂正するんだ。

「しき…っ」

だって、こっちのほうがずっと気持ちがいい。

拍手[0回]

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BrownBetty 
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